医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2022.12.21ダラダラ根管治療行っても治らないという事

┏46、他院において約半年、ほぼ1週間に1回のペースで根管治療行っていたものの、度々腫れ、痛みも出た。
歯牙破折の可能性あり、抜歯と言われたので、完全に治らない状態で補綴治療が行われていたが、装着1週間で大きく腫れ、痛みも再発したため当院来院。
過去に数回の根管治療が行われている模様。
術前
西村_理_ライトボックス(1)_口腔内_20221203_104632.jpg
写真左から1番目、3番目の歯牙。
中途半端な根管治療の跡。
歯根端に大きな病巣。
半年にも渡りゴリゴリ根管を削ったため、歯牙に穴を空けられている可能性が。
十分に治療時間を確保し、慎重に補綴物、古い根管充填剤を除去すると中なら膿が。
当日、徹底的に根管内を洗浄すると、やはり根管内に穴(パーフォレーション)が。
前医に言われた歯牙破折の可能性ではなく、前医自身が問題を起こしているという事。
残念ながらよく遭遇する。
マイクロスコープ下で慎重にパーフォレーションをMTAでリペア後、徹底的に根管洗浄を行なった。
2週間後の来院時、半年以上悩まされた腫れ、痛みがほぼ消失したが、念の為再度根管洗浄行った。
無論、根管内からの膿は全く出ない。
さらに2週間後、症状が完全に消失したため、根管充填を行った。(一部MTA使用)
根管充填後
西村_理_ライトボックス(1)_口腔内_20221217_145406.jpg
西村_理_ライトボックス(1)_口腔内_20221217_145948.jpg
しばらく仮歯で過ごしてもらい、問題ないことを確認したら、最終補綴物作製となる。

根管治療は何回も行えるものではなく、また、歯科医の技術差が大きく出ます。
率直に言って歯科医が治療しているのだか、かえって状況を悪くしているのか分からないケースに遭遇します。
根管治療のみならず、歯周病治療、その他治療をおざなりにしてのインプラント治療やマウスピース矯正などあり得ません。
ましてや歯科の様々な分野を融合させ、口腔全体を治療行う包括診療など考えただけでも怖くなります。

MTAセメントによるパーフォレーションリペア、根管充填は現在保険診療では認められていません。
また、マイクロスコープによる根管治療も様々な制約下でしか行えません。
さらに、根管治療を自費診療とした場合、同一の歯科医院で補綴治療を行う場合、それら補綴物も保険適応にはなりませんのでご注意ください。