2022.01.20歯牙移植
右下6部歯肉の腫脹、疼痛=歯根破折
元々当院の患者さんで、他の部位にインプラント治療等複数の治療を行っており、メインテナンス中。
右下6部は12年前に治療行った。
術前
今回はインプラント治療ではなく、同側8部(親知らず)が存在し、いずれ抜歯との話もしていたので、今回同部抜歯して歯根破折起こしている6部に移植というプランをたてた。
右下6抜歯直後、8はまだ温存
移植直後
根尖部はMTAで封鎖
根管充填、固定中
術後4ヶ月、固定除去、動揺は全く無い
術後4ヶ月からプロヴィジョナルクラウン(仮歯)を装着し経過観察、問題ないことを確認できたので術後6ヶ月、補綴物装着。
歯根端、MTA充填行った周囲に骨ができている。
今回は予後のことも考えメタルクラウン(保険診療)
過去数ケース歯牙移植を行っているが、いずれも問題なく経過している。
しかしながら私の考えとして、歯牙移植は適応が少ない。
なぜなら患者さんにおいて『余っている歯』がそうそうないこと、ドナーサイトとレシピエントサイトの大きさ形がほぼ同じである必要あること、インプラント治療と比較して外科処置が2箇所以上に増え、処置内容が複雑化すること、そこまでしても成功率が低いこと(一般的には70%、インプラントは95%以上(当院では5年で99%以上))、術後に部分的に矯正治療行う必要ある場合あること、トータルコストは?、、、という理由で、積極的に患者さんに勧めるべきものではないという判断からです。
メタルフリーとか言ってインプラントを否定し、まだまだ海のものとも山のものとも分からないジルコニアインプラントや歯牙移植、歯根破折している歯牙の保存に傾倒する歯科医もいるが、表面的には患者受けはいいかもしれないが、以上のような理由から私は否定的。