医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2021.12.15型採り・シリコン印象 VS 光学印象

補綴物を作製するにあたり型採りを行う必要あります。
型採りが精度を決めるため一切の妥協はできない。
適合状態の悪い補綴物を装着しても隙間ができ、2次的に虫歯を直ぐ作ってしまい、状況がドンドン悪化、最終的に保存不可能となる。
特に神経治療を行っている歯牙は2次的に虫歯自体の痛みが出ないため、対応が遅れがちとなる。
まだ、定期的なメインテナンス行われていればマシではあるが。
無論、型採り以前の問題、歯周病の治療、根管治療、ダウエルコア、プロヴィジョナル(仮歯)、型採り時の歯肉圧排(歯牙と歯肉の境界を鮮明にする作業)、歯牙の形成、その他様々な治療内容がが高度にできて初めて精度の高い型採りが可能となる。
型採りも歯列模型、副歯型、、、、、。

型採り後もバイト、フェイスボウトランス、、、、歯科医院において様々な工程があるが、いずれも精度が必要。
ここまで行うのに診療時間は1〜2時間程度かかるのが普通。
その後複雑な作業工程を経て補綴物は完成するのだが、歯科技工士のスキルの差も大きい、というか全て。
最新のCAD/CAMを使った治療も、最終的には歯科技工士のハンドメイド、アナログ的処置になります。
いずれも保険外診療の場合。
保険診療でレジン冠のCAD/CAM作製は認められていますが、様々な要因が当院の基準を満たさないため、行っていない。

したがいまして、治療時間が非常にかかり、複数の患者さん同時進行的に、流れ作業的、たこ焼き診療では到底不可能。

当院の患者さんはともかく、一般的にはそこまでの治療を求められる患者さんは極少数。
大多数は早く、安く、程々の治療要求だと考えられ、それはそれでいいのですが。

さて、型採りですが、当院において保険外診療ではシリコン印象を主に使用しています。
補助的にハイドロ(要は寒天)を使用。
これで熟練した歯科技工士が手掛けると、数ミクロンオーダーの精度が確保できます。

今、『流行り』の光学印象は残念ながらシリコンの1/10〜1/100程度で、ミクロンオーダーの精度は出ませんが、マウスピース矯正作製のためや、インプラントアバットメント(土台部分)作製には十分です。
接合面がすでに機械加工されたインプラントアバットメントは同じく機械加工されたインプラント本体(フィクスチュア)内面にアバットメントの位置決めする構造を有するため、光学印象で十分なのです。

また、現状、制度的に光学印象は保険診療補綴物作製には使用できません。
したがいまして保険診療メインの歯科医院において光学スキャナーを導入しても、使い道がないです。
マイクロスコープ、CT同様、客寄せならともかく。
また光学スキャナーを使いこなすにはスキルも必要。


確かに当院で光学スキャナーで患者さんの口腔情報を取得して直ぐお見せすると皆さん大変驚かれますので、私は客寄せの意味が今更ながら理解できて、逆に新鮮ですが。

インビザラインは光学スキャナーで取得した情報を元に、大まかではありますが、直ぐ矯正シュミレーション作製も可能です。

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光学印象(iTero)
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