医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2021.07.26磁性アタッチメント保険診療導入について

磁性アタッチメントが近々保険診療でも可能になるようだ。

磁性アタッチメントとは、歯の根っこを残し、その上部と、入れ歯の内側にステンレスと磁石を設置することにより入れ歯の安定を図るというもの。
もう何十年も前から存在する。
最初、保険外診療として鳴り物入りで登場したが、なかなか適応少なく、予後も良くないことから廃れていった。
よくわかっていない歯科医の乱用、治療終了後の患者さん自身のケア不良の問題も大きかった。

なので、何を今更である。
相変わらずのピンぼけな保険診療行政か。

磁性アタッチメント設置にあたっては、温存する歯牙の根管治療、歯周治療、磁性アタッチメント設置ならびに入れ歯を確実に行う必要あるが、前述の通り。
これを保険診療で行うとなると、余計に乱用増えて中長期的予後が望めなくなること必至。

また、磁性アタッチメントは設置方法によってはMRIの撮影困難、不可能な事態に陥る可能性が高いことも付け加えておきます。
特に中高齢以降の方は頭頸部疾患からMRI撮影の必要に迫られる可能性が高くなることも考慮していただきたいです。

過去に当院では磁性アタッチメントは極数ケースのみ、メリット、デメリットを説明、十分なご理解のもと時間稼ぎ的意味合いで使用したに過ぎず、年数の経過とともに撤去、他方法、例えばインプラントオーバーデンチャー(IOD)へ治療切り替えを行っている場合がほとんどです。(メインテナンス等脱落ケースは除く)

したがいまして、当院では保険内、保険外ともに今後も磁性アタッチメントの取り扱いの予定はないのでご了承ください。