医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2020.11.19安価なマウスピース矯正にご用心

現在、マウスピース矯正には様々な種類がある。
派手な宣伝で、非常に安価(10万〜40万円)をアピールするものがある。
しかしながら、ご注意いただきたい。
安価なものは大臼歯部の移動ができず、単に前歯の見た目だけ改善を行う場合が多い。
見た目だけの改善は、咬合学的には全く何の意味もなく、事実、他院で安易にマウスピース矯正行ったものの、咬合が狂ってしまい、顎関節症を発症して相談に来られたケースが複数ある。
当然、そのようなケースは全顎矯正のやり直しとなり、私は基本的に前医に相談することを勧めるのだが、と言っても、マウスピース矯正を安易に考えている歯科医では対応困難な場合も多く、しかし再矯正するコスト負担が容認できず泣き寝入りとなるケースもある。

矯正治療は見た目を改善するものではなく、機能的咬合を改善することが本来の目的であり、それをクリアできれば、当然審美的側面も改善されるということをご理解していただきたい。

それと、最初から最後までマウスピース矯正のみで対応可能なケースは全体の半分、どこかの期間に通常のブラケット、ワイヤー矯正を組み入れる必要がある場合が30%、後の20%はブラケット、ワイヤー矯正でしか治療不可能な場合もあり、マウスピース矯正は決してオールマイティではないこともご理解下さい。
即ち、マウスピース矯正はブラケット、ワイヤー矯正ができない歯科医が行うべきものではない。

インプラントも同様、よく分かっていない歯科医によるマウスピース矯正の安易な導入、乱用が目立ち出しているが、当院としてはいい迷惑。

もう一つ、マウスピース矯正は治療内を理解、治療のプロトコルを遵守できる、自己管理がきっちりできる、意識が高く協力的な患者さんでないと治療不可能であることもご理解下さい。

実はここが一番重要。
これはマウスピース矯正に限った話ではなく、複雑な治療になればなるほど言えること。

安易に手を出せるもの、簡単に始められるものは中途脱落でウヤムヤになりやすく、安易な結末しか出せない場合が多く、結局患者さん自身の不利益となる。