医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2020.09.11サイナスリフトによるインプラント治療

サイナスリフトとは、骨が薄くてインプラント埋入治療ができない場合、自家骨、他家骨、人工骨等を用いて骨を移植し、インプラント治療を可能とする方法である。
術式も色々ある。
様々な問題を抱えているが、何件もの歯科医院でその場しのぎ的治療を繰り返され、どうにもならなくなって相談に来られた患者さん。
インプラントによる咬合回復も大事であるが、根管治療、歯周病治療、咬合治療、矯正治療、その他を行い、包括的、総合的治療を行う必要があった。
今回はインプラント治療パート。
術前に根管治療は終了している。
術前
金井_三千代_ライトボックス(1)_口腔内_20200613_132205.jpg
上部から下部に弧状に上顎洞が存在し、インプラント埋入できるような状態ではない。
ラテラル法によるサイナスリフト。
側面から上顎洞内面粘膜(シュナイダー膜)を温存しながら歯槽骨に穴を開け、剥離、できた空間に骨移植行う方法。
バイオス+自家骨+自己血液+リグロス(増殖因子)による。
術中
金井_三千代_ライトボックス(2)_口腔内_20200820_162857.jpg
まだまだ移植量不足だが、上顎洞下端が大分挙上されている。
術後
金井_三千代_ライトボックス(2)_口腔内_20200829_100339.jpg
サイナスリフト完了し、移植した部位にインプラントが埋入された状態。
真ん中のインプラントは意外と初期固定良かった・・・・無論色々技を使ってるので。
8┛は同時に抜歯行った。
使用インプラントは、Biomet 3i(アメリカ)。
ステントはオーソドックなアナログステントを使用した。
最新の、CTからCAD/CAMで作製したものが全てにおいて優位ということではない。
というか、高度なサイナスリフト行うときには使えない場合も多い。
治療時間は、来院から退院までトータル90分。
このような処置は当院で珍しいことではなく、症例は多い。
多少の腫れ、痛み、内出血はあったが、鼻出血等の問題なく経過していある。
この方は遠方からの通院であるため、処置後の突発的事態発生時への対応、手術翌日の消毒、経過観察必要であるため、オペじは宿泊されたが、問題はなかった。
この状態で、骨と結合するまで(オッセオインテグレーション)概ね6〜7ヶ月待機する。
その間に行わなければならないことが山のようにある、、、、、

インプラント治療問といってもその難易度には雲泥の差がある。
簡単な処置で30分程度のものから、この症例のように難易度の高いものまで。
簡単なインプラント治療しか行わない、行えない歯科医が本数だけ自慢しているようなこともちょくちょくある。
内容が大事ということ。
どのようなインプラント治療(と、いっいてもザイゴマなんか私も行った事がない、と、いというか、適応例に遭遇したことないけれど。)にも対応できなければ、「インプラント治療行っています」と言ってはダメだと思うのだけれど。

単純にインプラント治療云々ではなく、そんなことより最初にどのような診断が行われ、治療計画が立案可能か、そしてそれをいかに精緻に実現してゆくかがはるかに大事。
無論、CBCT、マイクロスコープは言うに及ばず、様々な最新治療機器もマスト。