医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2020.02.06インビザラインの安易な治療にご注意を

インビザライン矯正とはすなわちブラケット(金具)とワイヤーを使用せず、透明なマウスピースを使用して矯正治療を進めていく方法である。
当院でも行っており、患者さんからの評価も高い。
通常の矯正と違い、見た目、違和感の少なさ、矯正治療中の痛みの少なさというアドバンテージもあるので、
通常の矯正は嫌だが、インビザラインでなら行ってみたいとの要望も多い。

インビザライン以外にも複数のメーカーが参入しているが、インビザラインを提供するアメリカ・アラインテクノロジー社が治療精度、治療ソフトにおいてトップメーカーであることは否定しない。
今年から他の大手メーカーの参入もあるので、このパワーバランスがどうなるか楽しみである。

しかしながら、アメリカでのそもそもの位置付けが一般歯科医が行う矯正というのがウリであったからか、誰にでも簡単にできる矯正治療と考えている歯科医が多く、トラブルも増加傾向である。
インビザラインも初期は矯正治療経験がある歯科医にしか提供せず、私はその当時からのユーザーであるが、最近は数を売る必要なのか曖昧のような感じになっているのも一因。
私には、このままいくとインプラント治療のように無茶苦茶になる懸念があるが、当のメーカーは?。

当院は某大学の近くに位置するので、下宿生が地元でインビザライン行っているもののトラブルになって当院に相談に来られるケースが増加している。

マウスピースが入らない、アタッチメントが脱落、装着方法の説明がいいかげんで取れなくなった、、、、、、。

アタッチメントのバリが除できていなかったり、型採り自体の精度が著しく悪かったり、原因は様々。

1度に100近いアライナーを渡され、途中経過観察一切なし、終わったら連絡して下さいと言われたものの、10くらい進んだ状態で全く入らなくなった患者さんもいる。
100のアライナー数だと、通常少なくとも1年半以上何も経過診ないということになる。

かといって、他院で治療行っているものについて、簡単な調節程度ならともかく、根本的問題を抱えている場合、当院ではどうする事もできない。

当院ではインビザライン治療を非常に厳格に行っているし、最初に全てのケースがインビザラインのみではできない、通常の方法が良い場合もある、インビザラインのみで治療可能なケースは全体の60%程度、インビザライン治療の前後に通常のブラケット+ワイヤーでの治療を行う必要となる場合も多いと説明して実施している。

あと、インビザラインは患者さん自身で着脱可能であり、これがきっちりした歯磨きができる大きなメリットなのであるが、毎日確実に20〜22時間以上装着、アライナーの交換時期、その他指導事項を厳格に守り実行できる人でないと不可能。

ハッキリ、キッパリ書くが、性格的にルーズな人には向かないです。
別にインビザラインに限ったことではなく、歯科治療全般の話だが。