医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2019.09.17歯牙再植

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写真、向かって左下の親知らずを右上に移植、完全埋伏歯ていた左上親知らずをMTMで引っ張り出してきたケース。
術後17年。
当院でも過去に歯牙移植は数ケース行っており、いずれも問題なく経過しているが、それら数ケース以降は全く行っていない。
正直、適応ケースが非常に限られるし、メリットがほとんどないので。
余分な歯牙を抜歯して欠損部に移植するのだが、問題ない歯を抜歯するわけにはいかず、必然的に親知らずとなるのだが、無傷で抜歯する必要があり、大きな虫歯に罹患している、歯周病が進行している、埋伏歯など素直に抜歯できない場合は適応外となる。
そうそう、ドナーサイトとレシピエントサイトのの条件がピッタリ合わない。
実際に当院に相談あったのだが、大きな親知らずを先天的欠如の前歯には移植できない。

処置自体、インプラントと比較すると面倒であり、外科的侵襲度も低いとは言えず、また、成功率は若干低く、コストもそれなにりかかり、正直メリットはない。
アンチインプラント治療(メタルフリー)を提唱する一部の歯科医が歯牙移植を行っている場合も多く、彼らの科学的根拠なき説明に賛同する患者もいる。

歯科医の、そもそもインプラントに対してのアンチの理由が定かでないし、あっても科学的根拠に欠け、体に金属を入れるのは良くないとかの理由で、ノンメタル歯科治療、すなわちセラミック治療への誘導などもあるようだ。
オールセラミックといってもベースとなるのはジルコニウムという金属であり、この酸化物である。
以前にも書いたが、体内に金属を埋め込むのがダメなら、骨折整復固定時のプレート、ペースメーカー、人工弁、脳外科領域のクリップ、コイルも一切ダメ?
もっと言うなら、金属類の時計やメガネ、アクセサリーなんかも全部ダメなのかということ?
体表に着けるものはOKで体内埋め込みのものはダメというなら、その科学的根拠をご教授願いたいものだ。

そもそも高度なインプラント治療行った経験のない歯科医が色々言っても全く説得力はない。
ある意味、さも科学的な事を言ってリテラシー低めの患者を集めるための手段でしか無いのかもしれない。
以前にトンデモ科学というのが流行ったが、言う方も信じる方も根幹は同じなのかもしれない。