医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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2019.07.13予防歯科通院していてもこんなもの?・・・・・包括診療

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他医院において相当のコスト、時間をかけて治療、その後メインテナンスを行っていたとの事であるが、いよいよ臼歯部に保存不可能な部位が発生し、患者さんはインプラント治療を希望されたのであるが、その医院では治療できないと言われ当院に相談に来られたケース。
残念ながら全ての歯牙がことごとく2次カリエスでやられてしまっているが、神経治療行われているため歯牙自体の症状はほぼ無し。
適合精度の悪い補綴物が理由だが、境目から深く虫歯になっており、一部の歯牙は保存不可能、破折も起きている。
定期検診でメインテナンスとは何を行っていたのか?!
精査の結果、全ての歯牙に様々な問題があり、何をどうメインテナンス行っていたのか全く不明。
行き当たりばったりの治療で、口腔単位での治療=包括診療が行われていない。
根管治療、咬合治療、歯周病治療、矯正治療、インプラント治療、、、、、、様々な方法を用い、口腔単位の再構成、即ち包括診療=フルマウスリコンストラクションを行う事となった。

包括診療は、様々な知識、技術、経験を持たない、1本の歯しか診ない、患者さんの主訴しか診れない歯科医は行うべきでない治療。
歯科医師になり30年以上、開院以来20年以上経過しており、経験は自分の行った治療が5年、10年でどのように変化していくのか十分なノウハウがあり、大きなアドバンテージである。

このところ、このようなケースでの来院増加著しいが、適当に治療行っていると時間の経過とともに様々な歪が出るという事だが、私は得意とする分野であるので安心してご相談を。

この様な状態であると、いったん、ネガ部分を徹底的に洗い出し、根本的に治療行わないと、あっちからこっちから様々な問題が発生し、全滅となる。

患者さんに否のないケース、落ち度のないケースでは、よく訴訟沙汰にならいなと思う。

しかし、このような治療は患者さん自身、誰にでも行うべきではない事も事実。
状況をよく理解し、治療に協力的である必要があるし、私をそこを重要視する。
クリアできれば後はお任せいただければいい。

本ケースは患者さん自身の理解度、協力度、リテラシーは非常に高く、もっと早い時期に確実な診断の元、精度の高い診療が行われ、適正な時期にインプラント治療が行われて他の歯牙を守り、メインテナンスも確実に行われていたなら、こうはならなかったと思うと残念である。

患者に寄り添うとか、何とかかんとか、私に言わせればキレイ事でしかない。

確かに患者さんの治療に対する意向を聞くことは非常に大事であるが、治療の選択肢が何十、何百とあるわけでもなく、
患者さんに嫌われたくないから言いなりなって、その場しのぎ的治療に始終し、結局トータルでの治療ができず、ズルズルになって口腔内がどんどん破壊されてしまうというケースに本当にたくさん遭遇する。

そもそもその歯科医がベストな治療計画を立案できるかどうかも疑問だが。

したがって私はベストの治療プランを提案し、そこからは患者さんとディスカッションしながら治療計画に変更を加え、納得していただけるラインで治療開始となる。

あまりにも患者さんと私の方向性が違う場合は他院受診を薦めることもある。

中途半端な治療をしても、状況の悪化を食い止めることはできないが、行った以上はその責任は私にあるので、そんなことには手を貸せないです。

なお、前医にはCT、マイクロスコープ、レーザー完備が謳い文句であったらしい。

これらの機器は保険診療においては使用可能な処置が非常に限定的であり、全ての診療において使用することは時間的にも、コスト的にも不可能であるが、ご存じない患者さんの方が多くキャッチコピーに釣られている。

機器自体が診療のレベルを上げるのではなく、あくまでも使い手の手技に負うところが大きい。
CT撮影したけれど骨がないからインプラントできませんとか、難しい抜歯ですとか、マイクロスコープ使用しつつもパーフォレーション起こされた例など多数経験している。

私は何とかするけれど。

初心者免許でポルシェやフェラーリに乗っても速く走れず、高級食材や調理器具に囲まれようとも料理自体が下手なら単なる無駄になるの同じなので注意が必要。