医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2019.03.01良い治療とは? その4

よその事だから知ったことではないし、私は私の患者さんの事が大事である。
「歯科医の腕の良さと、歯科医院が流行るという事はイコールではない。」
残念な事だが、これが今の歯科業界の常識。
なぜなら、最初の繰り返しになるが、歯科医が考える腕の良さと、患者の考える腕の良さには大きな隔たりがあるから。
マイクロスコープを用いて精密な根管治療、補綴治療を行ったところで、何と精度の高い治療を行っていただいたんですか!と歯科医や歯科衛生士など、業界以外の一般の患者さんから言われたことはない。
当院では、保険外診療大臼歯部の抜髄治療は、通常1時間程度かかる。
もし、5分、10分で終了ならかなりの手抜きと言えよう。いや、私ごときが知るべくもない神業かもしれないが。
印象(型採り)も歯肉圧排、歯列模型、副歯型採得など時間はかかるし、それ以前のプロヴィジョナル(仮の歯)の調整は言うまでもないが、印象物の私のチェック、歯科技工士のダブルチェックを経ないと作業続行とはならない。
場合によっては再度印象という場合もある。
きれいな印象を採得しようとするなら、それ以前に健全な歯周組織獲得は必須であり、当然、ブラッシング指導、すケーリーング、ルートプレーニング、場合によっては歯周外科処置が必要となる場合も多い。
したがって治療回数、コストは必要。
適当に根管治療行い、適当に補綴処置すれば早くて安い腕の良い歯科医となるし、そんな治療でも2年や3年でボロは出ない。
問題出ても何とでも言い逃れできるから。
根管治療終了したなら確認のレントゲン写真を、補綴物を装着したなら模型を見せてもらえばいい。
根管充填材がきちんと根尖まで充填されているか(根管充填の良し悪しは、あくまでも無菌的処置が大事であり、レントゲン的には正確には判断できないが、あまりにもきっちり入ってないのは問題ある可能性大。)、補綴物装着のための支台歯(歯)の形成ラインは明確でスムースであるかなど、何となく素人目にも良し悪しが分かると思う。
しかし、このような適当な治療は、もっと時間が経過すると必ず出る。
それも取り返しの付かないような。
ここで、この手の歯科医は、「では、インプラント。」となる。

激しく違和感を覚えるし、私には到底受け入れがたい。

また、こんな事も書かれていた。「ベテランの衛生士を雇うな。」と。
理由は簡単、自分の治療レベルが丸わかりになるから。
当医では既に退職した衛生士、スタッフ、その家族、他の院のスタッフなども通院されている。
この差は何なのか?これ以上、多くは語らない。
いや、高度な診療を行おうとすれば、知識、スキルに長けた歯科衛生士はマストだと思うが。
むろん、他のスタッフも非常に重要。
全く触れられないが、歯科技工士の技術レベルはある意味歯科医師以上に重要。
結局、エラソーな事言っても、歯科医のレベルなんて、周囲のスタッフに丸わかりなんである。
当院も、一旦寿退社し、その後他の医院に務めたものの、「???」でまた当院に再就職なんてこともある。

PC全く分からない人がセキュリティ大臣するような国なんだから、治療が適当な歯科医もまかり通るということか。

裏技、亜流に走るのではなく、あくまでも本質的な部分で診療を続けてゆきたいと思う。
数の上ではは圧倒的に少数派だが、表面上の客寄せに始終し、本質的な実力のない歯科医院に不信感を持ったリテラシーの高い、「考える」患者さんが、わざわざ遠方から当院に来意されケースが後を絶たないので。

100人の煩わしい患者に振り回されるのなら、1人の意識高い患者さんとじっくりと向き合いたいと、スタッフ共々考えながら、やり甲斐を感じる毎日である。

醜い客寄せで患者取り合い合戦の今の歯科業界とは距離を置く、いや、真逆のスタンスは開院以来全くブレはない。