医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.12.06コンポジットレジンによる治療

当医院では保険診療のメタルインレーの治療はあまり行わない。
日本独特、世界では全く行われていない12%金含有銀合金メタルインレーも安価に治療可能という面では、一定の評価はあろう。
誤解も多いが、保険のメタルインレーでもクラウンでも、きちんと治療すればある程度長期の予後は保証できる。
しかし、当医院に来院される患者さんは、審美的要求が強い意識の高い方が多いため、対応可能な場合はコンポジットレジンで対応する場合が多い。
当医院の場合、コンポジットレジンも通常の保険診療内とより審美性、耐久性に優れた保険外診療とに分かれる。
しかし、全てのケースに対応可能ではない。
基準として、
・機能咬頭、即ち強い力がかかる部分を含む充填には向かない。
 チッピングしたり割れたり必ずする。
 レジンで本当に大丈夫なら、とっくに全ての歯牙をレジンで補綴、完全メタルフリーのシステムが保険導入されている
 はずであるが、そうとはなっていない事からも明らか。
・直接法では、特に隣接面の充填など器具の操作性、精度に限界がある。
・そもそもコンポジットレジン自体の耐久性は、セラミックと比較すると明らかに劣り、確実にメインテナンスを行って
 もせいぜい5年が限度、摩耗、変色は避けられない。
 摩耗するということは、処置時に付与した形態が維持できなく、即ち咬合が崩壊してゆくということ。

歯科治療のゴールは機能の再構成と考える私は、やはりコンポジットレジンには限界があると思う。

キレイにコンポジットレジン充填行っている様子を動画サイトで見ることがあるが、確かに、ラバーダムをかけ、キレイに充填されているが、、、、、、、殆どの場合、ラバーダムを欠けたままで最終研磨を行っていて、どのような咬合が付与されているのか全く分からない、、、、、、、と言うことは、低めに充填して咬合調整を全く行っていないとも考えられるわけで、歯科医が見た目優先で機能全く無視、患者もそこまでは分からないとなると、これは非常に問題である。

盛り付けはキレイだが、不味い料理と同じと言えよう。
性格最悪最低でも美女がいいというなら、それはご自由にどうぞ。

審美は機能に優先しない。

以前にもご紹介したケース。
術前
DSC_6536.JPG
術後、右下5のみオールセラミッククラウンで処置
DSC_7190.JPG