医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.10.09右下欠損部インプラント

欠損部に対し、部分義歯はどいうしても嫌だと言われ、右下567欠損に対して2本のインプラントで対応したケース。
左側にも同様に2本処置行った。
使用インプラントはASTRA TX。
インプラントプロヴィジョナルを外した状態。
貫通部歯肉がキレイになっている。
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本ケースは患者さんの年齢も考慮し、後々メインテナンスしやすい上部構造形態を付与している。
特に欠損部ポンティック基底面は臼歯部でもありオベートタイプにはせずエステティック面を少し妥協し、軽くタッチさせる程度とし、患者さん自身のセルフケアは無論、医院でのメインテナンス時にもフロスを通しやすいように考慮した。
先日、インプラントメーカーの営業の方とも話しをしたのだが、最近「流行り」の光学スキャンは、まだまだこのような繊細なものに完全に対応しているとは言い難い。
確かに患者さんサイドからすると、「すごい!」となるのかもしれないが、光学スキャン、CAD/CAMによる即日補綴物作製は、手術後の軟組織の退縮までは考慮できないので、まだまだ改良の余地があると思う。
歯科医、歯科技工士、衛生士などがメリット、デメリットをよく理解した上で、適材適所で手法を上手く使い分けているならともかく、単なる「釣り」、「客寄せ」には注意が必要だ。
アバットメントはアトランティスによるチタンCAD/CAM。
当医院では、CAD/CAMで作製されたこのような技工物を必ず口腔内で試適し、必要なら形態修正、問題点をクリアできないなら最悪、再製作する場合もある。
本ケースは、試適中の奥のアバットメント周囲の歯肉が白くなっている(ブレンチング)ので、アバットメント歯肉貫通部形態がオーバーカウンターと判断し、少し修正した。
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次のアポイント次時、アバットメント形態修正後、上部構造を作製、試適、鑞着のインデックス採得。
その次のアポイント時、アバットメントをトルクレンチで最終固定。
規定のトルクを厳格に守る必要がある。
他の工業製品同様、強く締めるほどよいというものではない。
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同日、上部構造装着(メタル)。
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同レントゲン写真。
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7部インプラント先端の影は初診時からあり、精査したが問題ない。
分かりにくいが、インプラント埋入オペ時に頬側口腔前庭の拡張と付着歯肉の獲得(結合組織移植)を行っている。
この患者さんは強いブラキシズムがあるので(舌側に一部骨隆起が見える)、ナイトガードは必須。
骨に問題なかったため、治療期間は約5ヶ月。
治療難易度は、当医院においては簡単な部類に入ると思うが、患者さんが分からない部分で様々なプロセスが存在し、配慮を行っている。
特に「精度」の部分では患者さんの理解を得やすいような数値化、可視化が困難ではある。