医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.08.24歯科のオカルト

どのような世界にもオカルトめいた話、商品、サービスがあり、情弱がカモにされる。
オーディオしかり、時計しかり、車しかり、食品しかり、、、、、、この手のオカルト話が無いものはない。

歯科においても、体内に金属インプラントを入れると、インプラントが電波を吸収して体調を悪くするのでダメというのがある。
がから、◯◯◯治療しましょうとか、△△△治療しましょうと誘導してゆくのだが。
色々ビデオも出回っているので見られた方もおられるかも知れない。
まあ、ツッコミどころ満載で、単に催眠術で患者を誘導しているようにしか見れないのだが。
極々稀にチタニウム、インプラントフィクスチャー表面処理に対してのアレルギーが発生することは論文で見たことがあるが、私の臨床においては皆無である。
そんなことより、インプラント本体に問題にあるのではなく、上部構造の咬合設定に問題あるように思えてならないが、
全く議論はない。
正式な学術論文としては存在しない。

体内に金属入れてダメなのなら、デンタルインプラントよりはるかに大きい骨折治療のプレートは?人工股関節は?
もっと言うなら、体内埋込式のペースメーカーをはじめとしたデバイスは?人工弁は?ステントは?ステントは脳血管に入れることもあるが、極々普通なのでは?

もっと大前提としての保険診療における金属の使用はどうなのか?
保険診療においてもCAD/CAMレジンクラウンの導入されてきているが、正直、まだまだ限定的な治療しかできない。
保険外診療でメタルフリーを叫ぶ歯科医もいるが、動揺のある歯牙を固定して補綴する場合、現在、完全メタルフリー化は誤差が大きく、技術的に不可能、せいぜい2〜3本のブリッジが限界。
動揺がほぼないインプラント上部構造体のフレームワークを、ジルコニアをCAD/CAMで削り出して作製するのも、非常に高度な知識と技術が必要なので、動揺のある天然歯牙ならなおさらの事。

一般的な歯周補綴の場合は、コンベンショナルなメタルフレームワークを鑞着で固定してゆく方法しかない。
このあたりの意見を聞いてみたいものだ。
単に保険外診療に誘導したいがためのメタルフリーなら知らないが。

歯科インプラントだけでなく、"有名"な歯科医が独自開発した、しかし、世界的に誰も知らない独自治療というのもある。
まあ、医科でも同じ様なものであるが。

何を信じる、信じないはあなたの問題です。