医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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2018.07.03歯の治療は何でもかんでも患者さんの希望通りにはできないということ

先日の内容に追記。

患者さんの治療に対する希望は千差万別であり、治療に際し、患者さんの希望に沿う治療は非常に大事である。
しかしながら、あくまでも歯科医学的根拠に基づいた治療しかできないということをご理解されていない方も少なからずいる。
また、世界的に何の評価もない、科学的根拠なき治療を誇大にカウンセリング、そして、大した対応能力も無いのに、患者さんの希望に沿う、患者さん目線、患者さんに寄り添うと話をすり替え、すり寄ってくる歯科医も残念ながらいる。
歯の治療、特に当医院で行っている治療は完全オーダーメイドであり、治療内容、期間、コスト、その他、それぞれ患者さんによって大きく違う。
これはある程度以上のスペックを求めた場合、どのような商品、サービスにも言えること。
オーダーメイドで建物や服を作る事と同じなのであるが、建物なら、場所、地盤、関係諸法、物理的問題、コスト、その他全てをクリアしないと建てられない。
クリアしないのは単なる違法建築、テントの方が安全かも。
したがって、あれは嫌だ、これは嫌だ、ああしろ、こうしろと言われても、それが根拠ないものであるなら、患者さんの言われる通りに治療できない。
私は、その事はハッキリとお伝えするし、どうしても無理な治療を希望されるなら、治療自体をお断りすることもある。

また、言ってることがコロコロ変わったり、いつまでたっても結論出せないのも同じで、治療の学術的、技術的問題以外の要因で私自身が不安になり、治療困難である。
チャレンジングな治療は行えても、実験的な治療は行えない。

私はプロとしての提案しか行わないので、治療を敢えて断ることもプロとしての責任、誠実さと考えていただきたい。
ご不満なら、目先のもの欲しさに、この日本にいくらでもいる、何でもかんでも言いなりになってくれる歯科医院を探されることをお薦めする。
そのような方とは、結果がどうなろうとも、それはもはや信頼関係が築けないので、私には関係のない話。
信頼関係とは関係の文字通り、相互の信頼関係であるから。
この手の人は、ネットなどの情報に振り回され、統計を理解するわけでもなく、いい事だけしか頭に入らず、TV 番組の内容がさも一般的でかつ通変的なものと理解し、酷いのになると、友人だか近所の人だか知らないが、単に素人の意見を優先しての知ったかぶり、しかし、本質を全く理解していない。
したがって誰にでも複雑高度な治療が可能というわけではないので、歯科医も見境なしに勧めてはいけないと思うのだが、目先の事しか考えてない歯科医と、よく分かってない患者が事態を複雑なものとし、甚だ迷惑なのだが、例えばインプラント自体の評価を下げてしまったりする。

聞きかじった専門用語を駆使して色々説明する人もいるが、みんな的外れ。
かえって混乱するので、素人の言葉でお話頂ければ十分である。

数学の問題を答えを見ながら解いて分かったつもりになっていても、最初の取っ掛かりのひらめきが無いから、もう一度解けと言われても無理なのと一緒、永遠に問題を理解できないであろう。
まあ、他の歯科医でも理解していない専門用語もいっぱいあるが。

医科分野でも、適切な治療を行っていれば治ったものの、自分の勝手な判断、信念?、または、いつまでたっても結論出せなかったことによって状況が悪くなるようなケースも珍しくないらしい。

しかしながら、一端お断りしたものの、舞い戻ってくる患者さんも実際にある。
一端お断りして、他の医院受診したものの、思った通りにならなかったり、早期に問題再発し、余計にぐちゃぐちゃになり、話が複雑になって再度来院される方が。
でも、、、、、、ごく僅かであるが、まだ、分かってない人もいる。
また、お断りとなるが、どうすることもできない。
私は説明は行うが、説得は一切しない。
患者さんが判断、決断するに足りる詳細な情報を提供することが、治療初期での私のミッション。
自分で結論出せないなら、それ以上どうすることもできないし、十分理解、納得、決断できていない患者さんを説得までして行うべきものでもない。

このよう人は、延々と自分の考える理想の治療を行ってくれる歯科医を探す旅が続くのだろう。
日本には約70000の歯科があるそうなので、1日2件ずつ受診すれば100年位でたどり着けるかも知れない。
その間にドンドン状況が悪化するという事を理解できずに。

セカンドオピニオンという言葉も真意が理解されずに独り歩きして、標準治療から大きく逸脱したオカルト治療を受けて余計に面倒なことになる場合もあることを理解すべき。
患者側のリテラシーが低いと怪しげな治療に引き込まれる羽目に陥る。
私には関係ないが、そのような患者はいい鴨なのである。
治療は無数に選択肢があるわけではない。
保険でできるできない、保険外でできるできない、という一線はハッキリ存在するが、
歯科医側の問題で、治療可能、不可能という問題もある。
自分の不勉強、技術不足を棚に上げて、治療不可能と言い切ってしまうことは大きな問題である。

私にはフォースもないし、ましてや魔法使いでも手品師でもない。