医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.07.16インプラント上部構造体チッピング

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インプラント上部構造体が術後5年で一部チッピングを起こした。(マイクロスコープによる写真。)
患者は強度のブラキシズムがあるにも関わらず、再三の勧告に従わず、就寝時のナイトガード装着が曖昧であった。
このような事は僅かではあるが、しかし、確実に発生する。
時間をかけ、コストをかけ、しんどい思いをして治療が完結しても、ちょっとした認識の甘さ、不注意で全てがパーになることもある。
ナイトガードを最初は確実に装着していた方でも、時間の経過とともにいい加減になる場合もある。
歯ぎしりの有無、強度については、治療中のプロビジョナルの摩耗、破損の状況から判断し、インプラントフィクスチュアを含む補綴物、ならびに歯牙、歯周組織、顎関節等保護の観点から、必要な場合は、治療終了後、ナイトガードの装着を行う。
当医院においてはインプラント上部構造体の大部分がセメント仮着もしくはスクリューリテインという方法を採っているため、このような破損が起きても補修は比較的簡単である場合もある。
しかし、歯牙への補綴治療は、最終的にセメントでセットし、着脱が不可能なため、修復を行おうとするなら全て除去し、一からやり替えと成る。
インプラント上部構造体メタルフレームに対し補修は可能だが、何度も加熱することはできず、これ以上の破損が起きた場合は、全てやり替えとなり、相当のコストが発生する。
当然、当医院保証規定を患者側が遵守していないため、治療保証適応外となり、費用は全額負担していただくこととなる。
状況によっては、それ以上の不毛な対応は時間のムダなので対応をお断りさせて頂く場合もある。

ナイトガードという簡単なモノが、治療予後安定に大きく関わっている事を歯科医自身が理解していない場合も多い。