医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.07.09IMZインプラント

20年弱前、他歯科医院において今はもう販売されていないIMZインプラントによる治療を受けられたものの、メインテナンスを行わずそのままで、様々な問題が発生して当医院に来院された。
強度の歯ぎしりがあるにもかかわらず、ナイトガードの装着もしておらず、インプラント上部構造を含む補綴物の破損(前医による無理な補綴設計によるものもあるが)が起き、口腔内の咬合崩壊が起きていた。
それはそれでどうかと思うけれど。
炎症を起こしていたIMZインプラント撤去も考えたが、インプラント周囲の炎症がコントロールできたため、何とか保存、上部構造体のみを再製作することとなったのだが、何分、現在販売されていないインプラントシステムのため、色々問い合わせてみると、当医院で使用しているアストラインプラント取扱いメーカーが過去に取り扱っていたことがあり、一部パーツ、いくつかの専用器具も入手可能という事が分かり、一安心。
私自身、昔、昔にIMZインプラントの講習会に行った事があるが、その治療コンセプトがどうも納得できなかったので、結局導入はしなかった。
結果的には良かったのだが。
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ネジ止めされていた上部構造体を外した状態。
内部には汚染物質が存在し、シールは甘い。
また、内面のスレッドにもブラキシズムによる損傷が見られ、今後、いつまで保つかは不明。
ただし、この患者さんの今までメインテナンス、ブラキシズムに対する甘い認識による影響が大きいと思う。
新たな補綴物を作製し、スクリュー固定からセメント仮着へと変更した。
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7部は当医院で根管治療行い、保険診療による補綴物を装着した。

今回、何とか古いインプラントでも対応できたのだが、完全に消滅してしまっているメーカー(安売りインプラントに多い)、アフターケアに関心が低いメーカーだとお手上げとなる場合ももあるので注意が必要。
実際、よく分からないメーカーで対応不可能、撤去したケース、パーツの入手が不可能で元々治療を行った歯科医院に相談することをお勧めしたケースなど様々。
なので、当医院では少しコストはかかるが、世界的なシェアをもつ、アストラ、バイオメット3iを使用し続けているのである。

敢えてマイナーなインプラント(導入コストが安い場合が多い安価なことが多い)、明らかな安売りインプラントは、リスクが有ることも十分ご理解された方がよい。