医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.06.20歯の寿命

昨日のインプラントとコンポジットレジン治療についての補足。
歯の治療は何回も何回も行えるものではない。
精度の悪い治療を行えば行うほど寿命は短くなる。
よくあるパターン。

虫歯→適合の悪いメタルインレー治療→虫歯再発→根管治療→根尖病巣を作り根管治療不可と判断→抜歯→ブリッジ?
状況によっては入れ歯、インプラント治療・・・・このスパイラルが全ての歯牙において同時進行、繰り返し、状況がドンドン悪くなるのだが、
長いスパンのため、患者さんは過去の治療自体に問題あると考えない。
歯科医自身の治療レベルに問題ある場合、このスパイラルは歯科医自身が作り出している場合も多い。
一粒で2度も3度も美味しいいということか。
治療しているのだか、悪くしているのだか分からない。
無論、患者さん自身の意識の問題、すなわち自分の歯に関心を持つ、セルフケア、歯科医院でのメインテナンスに負うところも大きいが。

前記の通り、治療初期に保険診療で普通に行われているメタルインレーでの治療だが、これは良くも悪くも日本独特の治療である。
本来、インレーという隣接面を含む内側性窩洞の補綴は極めて難しいのだが、その自覚のある歯科医は少ない。
なので私は極力メタルインレー治療は行わない。
咬合的に問題ない場合はコンポジットレジン治療行う場合が多い。
虫歯のみていねいに除去し、ある意味いびつな状態の窩洞にレジンを充填可能なので、メタルインレー治療のように必要以上歯牙を削合する必要がないので。
しかし、コンポジットレジン充填は治療時間がかかり、テクニックセンシビリティであり、何より歯科医の「センス」が非常に重要となる。
もし、あなたの歯にコンポジットレジン充填行われているなら鏡でよく見ていただきたい。
治療部位があなた自身でハッキリ分かるようであれば、その治療は大したことないという事。
同じ歯科医が行うなら、他の分野の治療も同程度の精度だと思うので、いずれ必ず問題再発、前述のスパイラルに陥ることになる。
だから・・・・・・コンポジットレジン治療がいいという話ではない。
コンポジットレジンには適応範囲に限りがあるし、耐久性にも問題ある。
最初の治療が肝心という話。
ドンドン状況が悪くなってからのリカバリーは制約が大きくなり、全て全部やり直しというならまだ治療行いやすいが、
既存の治療を温存しての、特に誰が行ったか分からないインプラント治療をそのまま利用しての治療は困難が伴うし、どうしてもある程度の妥協が必要となる場合が多い。
まあ、私には腕の見せどころでもあるのだが。
更地に自由に注文建築行うのと、古屋を解体せずにリフォームするような差か。

当医院での67保険メタルインレー治療、5レジンクラウン(術後16年)、保険コンポジットレジン治療(術後5年)、5レジンクラウンは摩耗、劣化し、色調もおかしくなっており、いずれもベストとは言えないが、何の問題もなく経過しており、患者さんは満足されている。
無論、メインテナンス中。
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