2018.06.28歯科治療についてよく調べよう

誰しもきちんとした治療をと口では言われるが、実際にはその希望も、ものすごいバラツキがある。

患者さん自身が何を求めているのか、治療のゴールは？期間は？コストは？その他諸々のことをよく調べ、整理、決断、実現可能な歯科医院を選択されることをお薦めします。
高度な治療を希望されるのなら、患者さんもそれなりの努力、決断は必要ということ。
チャンスは何度もあるものではない。
別に歯科に限った事ではなく、他の医療、世の中の事全てに言える。
情報弱者がいいように喰物にされるだけ。

患者さんに高度な治療要求があるにも関わらず、それが実現できないような歯科医院を受診しても無駄だし、
全く、意識も関心も理解も低いのに、高度な治療を治療を提供する歯科医院受診してもこれまた無駄。

少し前になるが、何年も歯科医院を転々としているという患者さんが治療相談で来院された。
色々調べて「いい治療」を提供している歯科医院を探して転々としているらしいのだが、この方、今までの歯科医院でどのような説明をされていたのか分からないが、ご自分が希望するような治療は非常にコストがかかるという事を全く理解していない。
何処に言っても、自分が希望するような治療はコストがかかるという説明を受け、また、違う歯科医院受診の繰り返しらしい。
歯周病専門医と称する歯科医院でも治療を受けていたらしいが、私が診察した時は、根管治療は途中、プロビジョナルなどの暫定的な咬合回復も全く行われておらず、動揺歯の固定もなし、ブラッシング状態極めて悪く、歯石が全面べったり、抜歯すべき歯牙はそのまま、高度な歯周病に罹患しており、いったい今まで何をしていた？全く何の治療結果も出ていない！という状態。
私はこの方が望むような治療方法を提案しても、いずれもそれなりコストはかかり、それは無理、かといってコストをかけずに保険診療で入歯を作る方法もイヤ、あれは嫌、これは嫌、ああしろ、こうしろで結局結論も出せず、決断も出ずで、こちらもどうすることもできず終了。
ネット等でも色々調べているみたいだが、ことごとくピント外れ、単に分かっているつもりになっているだけ。
私が推察するに、この患者、「ウソ」をついている、ストーリーが都合のいい話に書き換わっている。
このような患者にはよくある事。
単なるドクターショッピングか。
話にも矛盾がものすごく多く、このような方の治療は学術的、技術的以外の要因で難しい。
多分いいかげんな通院状態であったため前医に相手にされず、ズルズル状態だったのだろう。
口腔内の状況から、前医の治療方針、レベルも大いに問題だが。
結局、何年も歯科医院を転々としていても改善されていない事実は事実であるが、どのような複雑な状態であれ、私なら２年もあれば治療終了できたと感じた。
このような患者の背景を推察することも非常に大事。
できる事はできる、できない事はできない。
プロなら正確な診断が必要である。
このようなケースはちょくちょくあるが、無理して治療行う必要は全く無く、お互い、本当に全く時間もコストもムダである。
「色々煩わしいが、このような相談があるのは、ある意味評価がある事で有名税。複雑な治療相談が何もないのは評価もないという事で悲しいことだ。」と某先生は言っていたが、、、、、、、あまりにも時間のロスが大きく疲弊も大きいので賛同できないのだが、どうなんだろう。
なにしろ、私はチャラチャラした表面上のキレイ事を言う事が大嫌いなもので。