医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.05.316月からのネット医療広告について

野放しであったネット医療広告にいよいよ規制が入る。

概略は、以下、日経メディカルからの一部転載。

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広告が禁止されている事項(ネガティブリスト:テレビCMや看板、ウェブサイトなどで一律に禁止)
・専門外来(例外あり)、死亡率、術後生存率、未承認医薬品による治療の内容

・内容が虚偽にわたるもの
× 「絶対安全な手術です!」
× 「厚生労働省の認可した○○専門医」(本当は学会が認定)
× 「当院は○○研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)

・他の医療機関との比較広告(比較優良広告)
× 「肝臓がんの治療では日本有数の実績があります」
× 「当院は県内一の医師数を誇ります」
× 「著名人も当院で治療を受けております」

・誇大広告
× 「知事の許可を取得した病院です!」(当然のことなのでNG)
× 「○○手術は効果が高く、お勧めです」(科学的根拠が乏しい場合)

・患者の主観に基づく治療内容や効果に関する体験談(新規)
個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページや第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載は広告に該当しないが、医療機関が広告料などの便宜を図って掲載を依頼している場合などはNG

・治療内容や効果について、患者を誤認させる恐れのある治療前後の写真(新規)
術前または術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用に関する事項や、治療の主なリスク、副作用に関する事項などの詳細な説明を付した場合はOK

・公序良俗に反する内容の広告

・その他、品位を損ねる内容、他法令に抵触する内容
× 「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」
× 「○○錠を処方できます」(医薬品医療機器等法の広告規制に抵触、「ジェネリック医薬品を採用しております」は可)

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多くの歯科医院のネット広告はアウトということ。
以前来院された患者さんが、どの歯科医院のWebもその構造がほぼいっしょで、何を基準にして良いのか分からない、当医院のWebは量も内容も読むのは大変だが、非常に詳しく記載されていて信頼できたと言われていた。
このようなメディアからの情報収集が上手な人はともかく、リテラシーが低いと簡単に誘導されてしまうし、また、そのような患者さんは治療自体を簡単に考えている場合が多く、安易な受診、治療中断も多いとされている。
まあ、いつまでたっても治らないケース。

一般的なWeb内容とは、たいした内容もない実績を異常にアピール、しかし「地域一番」とか根拠が全く分からないポイントを強調、診療器機の自慢、ほとんど説明のない「Before & After」写真、やたら目立つ無料相談電話、メール相談、実態のよくわからないポータルサイトなどへのライターに書かせたヤラセ記事、自作自演の「患者さんの声」、、、、、言い出したらキリがない。
「Before & After」など、一般の方が見ると単に「すごい」、「きれい」となっても、分かっている歯科医、見るものが見れば、インプラント治療行われているのに実際は無茶苦茶、インプラントはともかく、その近辺、対合歯がダメなまま放置、根管治療はきれいにできているのに補綴物が無茶苦茶、矯正治療終了なのに咬合が確立されていい、、、、、などなどなぜ敢えて己の恥を晒しているのかよく分からないものもある。
一つの基準として、その歯科医の診療姿勢として、診断の要となる汚いレントゲン写真が掲載されていたならダメ、論外だと思う。
メディアでも垂れ流しのよく分からないサプリと同じ手法、、、、、、。
目に効くとか、関節に効くとか、そんなものに本当に薬効があるなら、眼科なり、整形外科でもっと有効成分の純度を高めた医薬品が処方されると思うが、小さく、「個人の感想であり、薬効を保証するものではありません。」とある、アレと同じ。

今回規制が入る歯科治療においてのBefore & After的写真は非常に重要だと思うが、それ以上に解説が重要。
ただ単に写真を添付すればいいというものではない。
患者さんは今の時代、様々なメディアにおいて先進的治療でどこまでのことができるのか、そもそも通院しようとしている歯科医院の技術レベルがどの程度なのか、また、それら治療を実現するのに必要なコストは、と事前に知る権利があるし、それらが自分に合った歯科医院選択の一助となるべきで、患者さんと歯科医院側のミスマッチが発生はお互い時間のムダとなる。
残念ながら、患者さんによって状態は千差万別で全く同じ症例というのは存在せず、したがって、画一的なBefore & After写真など何の意味もないと私は考えるのである。

リテラシーある人ならそれらおかしさに気付くのであるが、大多数は罠に引っかかってしまう。
当医院のWebは様々な事を見越して、一般的なWebの構造とは大きく変えてある。
Web作製の時、歯科医院用のWebフォーマットというのが存在し(したがって患者さんが言われた通り、どの歯科医院のWebも似たり寄ったりなのは当たり前。)、それから大きく外れるものを作製したい私の希望に対し、業者から様々な事を言われたが、今となっては正しかったということ。というか、ある程度予測していたということ。

おかしな広告に一定の患者さんが引き寄せられることは当医院にとって逆にプラスの力が働き、結果、当医院に来院される患者さんの利益を守る事でもあるのでので大変結構であるが、この他にも胡散臭い患者集めの規制をドンドンやれと思う。
自作自演の口コミとかもね。
口コミも、どういうわけか、投稿時期が一時期に集中してたりするので、普通、おかしいと気づくと思うのだけれど。
6月以降、Webデザインをガラッと変えたなら、それまで胡散臭いものだったとも言えるかもしれない。
患者さん自身も賢くならなければならない。