医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.05.22口腔前庭拡張ならびに歯肉移植

歯肉の外側はほっぺた、唇に続いてゆくが、歯が埋まっている歯肉部分の土手の高さが不足すると、低い堤防は少しの水量増加で決壊するのと同様、歯、インプラントに安定した環境を提供できない。
また、歯ブラシが入るスペースも確保できないため、口腔環境の悪化が起きる場合もある。
そこで、口腔前庭拡張、歯肉移植を行なったりする場合が非常に多い。
本ケースはインプラントならびにその前方歯牙周囲の前庭が狭く、また、歯肉も薄かったので(角化歯肉)、前庭拡張と歯肉移植を同時に行った。
様々な方法が存在するが、状況により選択、組み合わせる。
術式は大変困難で、高度な技術が必要であり、ある意味、インプラント治療よりはるかに難易度が高いが、
この辺りを煮詰めた治療を行わないと、長期の予後は望めない。
厳密には口腔前庭拡張+ランガー法変法による歯肉移植。
移植歯肉は口蓋側より採取。
状況の悪い奥の親知らずは、インプラントによる支持が立ち上がるまではプロヴィジョナルクラウンにて、暫間的に咬合可能なようにしていたが、お役御免で、抜歯している。
術前
6┛部頬側角化歯肉は全く無いく、頬粘膜が入り込んできている。
7┛部も同様に、脆弱でほぼ無いに等しい。
DSC_5534.JPG
手術直後
痛々しいけれど・・・・
移植した歯肉は吸収性の縫合糸にて固定され、その上に歯肉を覆いかぶせるように縫合している。
約10mmの角化歯肉が獲得されたが、20%程度の後戻りは想定。
DSC_5538.JPG
細かな縫合は、マイクロスコープを用いている。