医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.03.13クイック矯正とは?

クイック矯正とは?・・・・・・そのようなものは専門用語にはない。
強いて言うなら、出来るだけ早く綺麗にしたいという需要を叶えるため、
通常なら歯列矯正を行うケースを、歯の神経を抜いて、ダウエルコアで歯牙の方向を変え、もしくは抜歯までしても短期間に治療を完結させようというもの。
確かに素人向けにはインパクトが有ることは事実。
通常なら1〜2年は治療期間が必要なのだが、前述の手法を用いることにより数週間〜数ヶ月で行うもの。
女性誌などの広告でよく見かけるアレである。
クイック矯正は聞こえはいいが、虫歯でも無いの抜歯、神経処置を行い、大規模な差し歯を装着する事で、単純に出っ歯、乱ぐい歯などを引っ込め、見かけキレイにする方法だが、やはり無理がある。
とてもじゃないですが、矯正と呼べるものではない。
大規模な補綴を行うには、繊細かつ精度の高いな治療が必要となるが、雑な事が行われていることが多く、長期の予後は望めない。
事実数年前に他医院において処置を行ったものの問題発生、当医院来院というケースをいくつか経験している。
全ケース、この治療を行った歯科医は「咬合」というものの「イロハ」も知らないのかといえるような状態であり、
ぱっと見た目はともかく、全く噛めるような状態ではない。
補綴物の精度は著しく低く、ハーフポンテック、オベートポンテック、補綴物のカウンターコントロールを駆使して(
それらの知識があって行っているわけではないのだろうが)、結果、非常にメインテナンスし難い補綴物が装着されている。
予後は推して知るべしである。
そのような治療のリカバリは厄介なことが多く、治療コストも施術されたクイック矯正以上になる。

クイック矯正希望の方が時々来院されるが、歯科医の良心として基本的には通常のコンベンショナルな治療をお勧めし、メリット、デメリットを説明、理解して貰う必要があるのだが、そもそもこのような治療を希望される方のリテラシー自体に問題ある場合もある。
あまりにも安易に考えている場合がある。

極わずかのケースでも、十分理解された場合のみ治療を行うようにしているが、結局コンベンショナルな治療希望が大多数である。
どうしても時間的な制約がある場合のごく小数のみしか行わないし、後々メインテナンスが行えない場合はお断りしている。
取り返しのつかない事にもなりかねないし、そのような事に加担するのは嫌である。