医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.02.12矯正用ミニインプラント・圧下症例

矯正治療はいわば歯同士の力比べである。
大きな奥歯は動かしにくく、小さな歯は簡単に動く。
大きなを移動させる場合には多数の歯を固定源として、少しずつ動かしてゆくのであるが、それでもロス(アンカーロス)が発生し、固定している歯牙群も少し移動してしまうので効率が悪い。
そこで、ミニインプラントの登場である。
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ミニインプラントはアンカーロスがほとんど起きないので、強固な固定源となり、効率よく歯牙を移動させることができ、当医院ではインビザライン矯正においてもよく使う手法である。
処置方法は、インプラント治療を数多く手がけている者にとっては至極簡単、麻酔下15秒位で完了。
本症例は、通常の矯正治療では中々困難な圧下、すなわち歯牙を押さえ込む治療。
左下7部がキチンと萠えず、手前の歯牙に潜り込むような正常より低い位置状態でストップ→上顎かみ合わせ歯はその位置までとび出てくる→咬合干渉が起き痛み、潜り込んだ7と手前の6部の間がブラッシング困難で虫歯を作ってしまう→いいかげんな根管治療とレジン充填→何かしら調子が悪いが数年経過→虫歯で左下6部再治療、またまたいいかげんな根管治療とレジン充填(つい最近!、根管充填材は乳歯に使用するものを使用!)→歯並びの問題も相談にのってくれず、痛みもぜんぜん治らないので当医院受診、というのが大まかな流れ。
まず症状のある左下6部は再根管治療行うが、1回の根管治療で症状消失したが、一部根尖部石灰化しており、この状態までしか根管充填できず。
直ぐファイバーレジンコア+プロヴィジョナル装着。
左上7部は8抜歯と同時にミニインプラント埋入、2週間後に歯牙移動開始。
術前
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術中
手前の歯牙にはコンポジットレジン充填による虫歯治療が行われ、歯牙位置が変わらないよう、補強固定している。
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術後
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本当は全顎的矯正を行った方がいいのだが、今回は断念し、またの機会に。