医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.01.05歯科の専門医とは?

インプラント、審美歯科、根管治療の専門医かと聞かれる事がある。
いずれもNOであるし、そのような「肩書」に全く興味もない。
そのような肩書に振り回されている患者さんが多いことと、それにつけ込む歯科医の攻防が、どんどんマズイ方向に進んでいる。
そもそも、厚労省が認めた正式な専門医制度に上記のものは存在しない。
任意団体であるため、入会、資格取得には金の絡んだ大人の事情が存在する。
海外の大学の認定医制度もおかしなモノが多々あるので要注意。
海外のどこの誰とも分からぬ者に資格を乱発するのか、よく考えれば分かるというもの。
分かる人が見れば、ある団体の認定医だの指導医だの、専門医などの肩書を誇示していると、そういう人なのねでお笑いのネタにしかなりえない場合もある。
私も海外のいくつもの某大学の講習会に参加し、何枚もディプロマをもらったが、バカらしくて待合室などに飾る気もしない。
海外には、専門医教育システムが確立し、各専門医がチームを組んで診療している場合もあり、それなりのシナジー効果もある、、、、、まあ、色々なのだけれど。
日本にも存在するし、当医院においても各専門医と連携体制がある。
海外のそのようなシステムの元、研鑽された歯科医もおられると思うが、日本でそれらを全面的に標榜することはできないし、繰り返すが、日本での資格ではなく、そのままでは通用しない。
海外で自動車免許取得して経験豊富でも、日本では全く通用せず、そのままで国際免許制度もない。
アメリカの自動車免許は、日本の教習所のようなものは存在せず、いきなり路上教習となる。
歯科医師免許はアメリカなどでは、州単位で必要。
資格云々の話はくだらないの一言に尽きるが、現実は現実であり、ましてや怪しげな自称「専門医」を名乗る歯科医も多くて混乱も多いが、リテラシー低いと判断は困難だ。
あくまでも自称なので、「前歯専門医」とか「奥歯専門医」とか、「セラミック専門医」、「コンポジットレジン専門医」もアリかも。
自分の「専門」以外の治療要求の患者さんが来院したらどうするのかと他人事ながら思ってしまう。

「専門医」を排出している様々な団体の規模、背景をよく調べられた方がいい。
色々な事が分かっておもしろいし、怖い。

肩書を全面に押し出している割には実際の治療症例、特に難易度の高い症例紹介がないのは要注意である。

厚労省が標榜可能と認めている専門医は以下の5つのみ。

・歯周病専門医(日本歯周病学会)
・口腔外科専門医(日本口腔外科学会)
・歯科麻酔専門医(日本歯科放射線学会)
・小児歯科専門医(日本小児歯科学会)
・歯科放射線専門医(日本歯科麻酔学会)

これら専門医制度にも、前述の通り色々大人の事情があるのも事実。

どこまで信じるか、判断するのは患者さん次第というのは無責任であるのだが、「専門医」は「専門以外」の事は全く分からないという場合もあり、一部分の独りよがりの治療になってしまう危険がある。
歯科は歯科でしかないので、これは脳外科医が心臓外科の詳細に疎いという事とは別次元である。

仮に「専門医」が治療したある部分が90点でも(100点は取れない。取れるというならそれは傲慢でしかない。)、違う部分が他の歯科医への丸投げで、保険診療、保険外診療かかわらず50点なら、その治療は全体として50点でしかないことをよく理解すべきである。
実際、他医院で自費で根管治療を行い、違う医院で保険でお粗末な補綴が装着され問題発して来院されたケースが複数ある。
歯科治療は様々なプロセスを経て治療ゴールへと進ん行き、掛け算の累積である。
以前にも書いたことあるが、それぞれのプロセスが90点取れても、そのプロセスが5つあれば60点を切ってしまう。

私は全てのパートにおいて、少なくとも合格点60点以上の80〜90点以上を目指しています。