医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2018.01.22根管治療用ファイル破折片除去

根管治療ファイルは、いくら当医院で使用しているファイルの多くはニッケルチタン合金でできているとは言え、金属なので疲労が起き、使用し続けるといずれ破折してしまう。
もっと一般的なステンレスなどは、もっと簡単に破折してしまう。
近年はやりのエンジンファイルはハンドファイルと比較すると高速回転で使用するのでなおさらだ。
技術進歩はいいが、使いこなせもしない道具に振り回されるのはアホである。
したがって、当医院では使用状況、頻度、状況をメモし、一定回数使用すると自動的に破棄する。
長期の使い回し、そもそも使い方の誤り、ラフなハンドリングが様々な問題を引き起こす。
ハンドファイルをきちんと使えない歯科医がエンジンファイルを使うべきではないし、問題が発生した場合の対応方法も熟知しなければならないし、マイクロスコープなどの設備も必要。
自費根管治療という治療オプションを有する当医院なら、もったいないとかみみっちい事は一切言わないが、保険診療メインの一般的な歯科医院では、日本の保険診療下の安い根管治療費用では全くペイせず、そのような事は致し方ない部分はある。
色々注意し、細心かつ繊細なハンドリングを行っても、年間数本は折れる時は折れる。
でも心配無用。
基本的に無菌下で使用しているため、根管内で破折、残留しても問題ないし、私自身が破折させてしまった場合は患者さんに説明し、除去するか、そのままにするか判断する。
無理に破折ファイルを除去しようとすると歯牙に余計なダメージを与えてしまう事になりかねず、そのような事は避けるべきである。
過去、そのままの状態で痛み、腫れ、根尖病巣が発生したケースは無い。
困るのが他医院で破折が起き、痛みが症状が出て来院されるケース。
他医院において1ヶ月前に処置した歯牙が痛く、腫れも出て来院。
近心頬側根に破折ファイル。
この程度なら簡単に除去可能。
基本的にはマイクロスコープで破折ファイルの頭が見えれば除去可能。
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マイクロスコープ下で除去すると大量の膿。
破折ファイル片が膿の栓になっていたよう。
除去後根管拡大、洗浄を行うと次の診察日には症状消失したため、もう一度根管洗浄後、その次には根管充填行った。
しばらく経過観察行い、補綴治療に移行。
根管充填後。確かに近心根は2根で複雑な形態をしていた。
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破折ファイル片除去のための各種スプラソン超音波チップの一部。
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各種エンジンファイル。当医院のメインシステム。この他にの3つのシステムを持ち、使い分ける。
最近の1本で全部できるというのは嫌い。
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様々な物を使用してきてProtaper Goldのクネクネ感は?だが、今はこのシステムがメイン。
基本的にワンペイシェントユースで使い捨て。現行の保険診療では全くペイせず、保険外診療で使用。
使用頻度、疲労度を記録して、一定限度になると躊躇なく破棄。
これがトラブル回避の大原則。

保険診療において加圧根管充填行った場合には術後レントゲン写真撮影がルール(ルールで撮影するしないというのはおかしいが。)なので、主治医にその写真を見せてもらう事をお勧めする。
今回のように変なものが混じりこんでいたり、歯根先端まで緊密な根管充填できていなかったら、それは問題。
ただし、アンダー=ダメとはならないし、様々な「学説」や「流派」が存在するので、一般の患者さんは判断つかないと思うが。