医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.12.16不良な根管治療を再治療

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他医院において1ヶ月前に根管治療、補綴治療行ったものの、直ぐに腫れが出てその医院を再受診するも、薬と様子見で対応してもらえず、当医院来院。
根分岐部にレントゲン写真で影が。
近心根は手を手付けられていない。
石灰化が起こっているようで、ハッキリ写っていない。
クラウンを除去してみると、軟化質(虫歯の取り残し)が存在。
近心部分を探ってゆくと困難が予測された2根管も比較的容易に発見できたので、全ての根管治療開始。
10日後の再受診時には、症状は全く消失していたが、念のため根管洗浄、消毒。
さらに10日後に根管充填。
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20日程度経過でも分岐部の陰影は消失しつつある。

根管治療分野は保険診療において不採算部門であり、それがいい加減な治療を引き起こしている事を否定できないという意見があり、それはそれで一部は事実であるが、こんな状態で上部構造を保険外診療に誘導することはいかがなものかと思うし、その事が原因で問題が出ても、案外患者さんは気が付かない。

今回、上部補綴物は保険診療を希望されていたので、マイクロスコープ等は一切使用していないし、
その他や器材、薬剤も保険診療準拠のオーソドックスなもののみを使用。
使用しなくとも根管治療は十分できます。
無論、あったらあったでより高度で精度の高い治療は可能だが、そこにはコストの壁があるので一線は引かなければならないが、私は保険診療でもこの程度のことは行いますよという一例。
マイクロスコープやなんやかんやに、歯科医と患者が振り回されている悲しい現実。