医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.12.14矯正治療は見た目を治すことではないこと

患者さんは矯正治療の審美的側面のみを考えがちで、治療の目的としがち、一部の矯正専門医もいわゆる「咬合」関して全く無知と言わざるをえず、したがって単にパット見た目の歯並びのみしか考えない(いわゆるスタティックオクルージョン)場合も多い。
しかし、咬合機能(ダイナミックオクルージョン)を考えないと、顎関節症を引き起こしてしまうケースも多いのだが、患者さん自身、矯正治療が上手く行われていないとは夢にも思わない。
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写真は他医院において幼少期より、延々と矯正専門医にて治療を行い、上下左右第一小臼歯4本抜歯してまで治療されたのだが、治療終了後直ぐ顎関節症の症状が発現(顎がカクカクする、音がする、開口障害など)、前歯で噛み切れない、奥歯でしっかり噛めないと訴えたのだが、その矯正専門医では何の対応もしてもらえず、大学口腔外科、精神科受診を薦められた。
縁あって当医院受診となったのだが、少し検査しただけでも完全にオープンバイト(前歯で物が噛み切れない、大きく隙間が開いている)、臼歯部の咬合が非常に甘く、数カ所しか咬合していない事が確認された。
矯正治療行った歯科医院を再受診する事をお勧めしたが、不信感が強く、当医院で対応することとなった。
スタビライゼーションスプリントを装着してもらったところ、顎関節症状が大きく改善されたため、また、その後の詳細な検査の結果、いわゆるCR、COバイトに大きなズレが存在したため、また、咬合再構成が全くできておらず、結局当医院で再矯正となった。

写真は別症例であるが、当医院においてインビザラインのみによる矯正治療が行われ、緊密な咬合関係が獲得できた状態。
全ての歯牙が咬合し、アンテリアガイダンスも確立されている。
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矯正治療は見た目を改善する事も大事であるが、それ以上に機能を回復すべきである。
いい加減な咬合関係で矯正治療を終了してしまうと、必ず中長期的に様々な問題を引き起こすが、それがまさか過去の矯正治療のせいだとは患者さんは夢にも思わない。
そのようなケースを多数抱える。
矯正専門医の中には、咬合について深く考えない、理解していない人がいる事も事実であり、患者不利益となる。
審美歯科医と称する歯科医によって安易な「セラミック矯正」が行われている事も同じ。