医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.09.11歯周病治療薬とは?

患者さんによく尋ねられるのだが、市販の歯周病治療薬について・・・・・全く意味なし。
歯周病はプラークが歯肉溝内に停滞し、歯周組織に炎症を起こし、付着部分を破壊、炎症が深部へと進行し、やがて歯根面ならびに歯根面セメント質を汚染、周囲硬組織内の破骨細胞が活性化されてどんどん歯槽骨が吸収してゆくというもの。
かなり大雑把ではしょってはいるが、この辺りのメカニズムすら理解してない歯科医や歯科衛生士もいる。
したがっていったん歯根面が汚染されてしまうと、機械的な除去、すなわちスケーリング、ルートプレーニング、さらには歯周外科処置を行い郭清しない限り回復しない。
毎月チョロチョロっとスケーリングの真似事をメインテナンス、クリーニングと称して行っている歯科医院も多い。
全く意味はないが、その患者自身に、歯周病への理解と協力が得られる見込みが無いので、それ以上突っ込んだ処置に移行できないという事情があるかもで、それはそれで致し方ない。
汚染された表面にどのような薬剤を用いようとも何の効果もない。
こけて膝を擦りむいた→傷口から出血しているが、泥だらけ→そのまま消毒約を塗る人はまずいないだろう。
傷口を清潔な水で洗浄してから消毒薬を塗布することは誰でも理解できるはずである。
しかし、歯科の世界では様々な薬効をうたった「歯周病治療薬」が平気で販売されている。
確かに、炎症が深部まで波及していない単純な歯肉炎、歯根面が完全に郭清されているならそのような「薬」も効果あるだろう。
なお、歯科医が処方可能、もしくは医院内で使用可能な歯周病治療薬というものは「ペリオクリン」など極一部の抗生剤しかなく、それも効果には賛否両論があり、私は抗生剤の乱用には反対なので使用していないし、無論、それ単独で歯周病が完治することはない。
薬剤に相当の効果があるなら有効成分濃度を上げたものが処方薬として販売されているはずであるが。
「歯周病治療薬」を使用しているから大丈夫という過信は危険であるし、確実なブラッシングも行なわず、単に薬を使っても全くムダである。
ブラッシングでのプラーク、バイオフィルムの除去は中々難しく、とりあえずは60点のブラッシングは自分で行って下さい、あとの部分はメインテナンス、PMTC(プロフェッショナルクリーニング)でカバーしましょうというのが現実的。
歯周疾患は認識が低い部分も多いが、一種の慢性疾患であり、生涯を通してケア、コントロールしてゆく必要がある。
全身疾患のように完全治癒せずとも、長期に渡り薬でコントロールしてゆくのと同じであるのだが、歯科の場合は危機感低い。
元々関心が低くブラッシング状態が悪い→虫歯、歯周病→治療→喉元過ぎればでまたブラッシング状態が悪化→元の木阿弥、、、、、、とならないように。
そのためのメインテナンスでもあるのだが、やはり患者さん間の温度差はある。
治療終了した患者さんも、そもそも、なぜ、歯科治療を行ったのか、元の状態はどうだったのか振り返っていただきたいのだが、喉元過ぎれば、、、、、という事もある。
ブラッシングは非常に有効な歯周病治療方法の基本の基本、毎日3回、確実に行って頂きたい。
大掛かりな治療の長期的な予後は、かなり大きく左右される。
特に就寝前には。
就寝前のブラッシングができていないと、朝起きた時に口腔内にはウンコ10gと同等の最近が存在していると言われている。
そんな状態での朝のチューなんて!!!!!