2017.08.23コンポジットレジン修復における注意喚起
当医院ではメタルインレーによる治療は、耐久性が必要なケースを除き殆ど行っていません。
これは当医院のWebや口コミ、ご紹介で来院される方の要望によります。
しかし、コンポジットレジン修復に対しての過大な期待もあるようです。
確かに、近年の接着科学の進歩により、コンポジットレジン修復は前歯部はもとより、臼歯部においても比較的安定した臨床成績を残せるようになってきました。
しかし、これには様々な知識と確かな技術が必要です。
そこで私の考えと注意点をいくつか。
・コンポジットアンレー修復は保険適応外となります。
・保険診療よりより耐久性、審美性を求められる方には保険外診療コンポジットレジン充填の治療オプションを比較的安
価にご提供可能です。
・コンポジットレジンにより、きれいに機能的、審美的に修復可能ですが、コンポジットレジンへの過大な期待は禁物で
す。
コンポジットレジンはセラミックと比較してコストダウンは可能ですが、セラミックのように長期間の安定性は
ありません。
・セラミッククラウンはコンポジットレジンより侵襲度の高く、精度も低い治療と言う歯科医もいますが、確かに一部は
正しいですが、大部分は誤解です。
生活歯においても。歯牙形成を複数回に分けることにより、抜髄を回避しています。
・特に隣接面を含む大掛かりな修復、タイトな咬合付与が必要な場合、コンポジットレジン直接法には防湿、形態付与、
適度なコンタクトポイント付与、タイトな咬合を維持し続けるだけの耐久性に限界がある事を理解下さい。
あまりにも複雑な形態の修復は、直接法ではなく、間接法、すなわち型とりを行い、歯科技工士が作製する方法が
全てにおいて圧倒的に有利ですが、コストもそれなりに必要となり、敢えてそのような治療に費用をお支払される事は
前述からの理由により注意が必要です。
・どうしても保険のメタル治療は受け入れられない、しかし、比較的コストを抑え当面の時間稼ぎ、限界が来た時点で次
の治療にステップアップと考えられる方もられます。
・また、口腔内をパートに分け、少しずつ治療を行う場合もあります。
・コンポジットレジンはメインテナンスを行っても5年程度が限界だと思いますので、治療のいち選択としてお考え下さ
い。
・長期の安定をお求めの場合は、セラミックで治療される方が結果的にはコスト、時間の節約となる場合も多いです。