医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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  • 痛みが取れない(根管治療の話)・精密根管治療

2017.08.30痛みが取れない(根管治療の話)・精密根管治療

右上6部、他医院において半年通院したにもかかわらず、痛みが引かず、ドンドン状況が悪くなるので、当医院に来院されたケース。
ただ、このケースは仮封材がカチカチに硬化していた事、当医院への通院状況から、本当に、真面目に前医に通院していたか甚だ怪しいが。
こういうコナンなみの推理も治療には必要。
術前写真
DSC_6725.JPG
仮封剤を除去してみると、根管消毒薬とおぼしき液体の強い匂い。
何度も清掃している割には、GPの取り残しが多く存在するが、マイクロスコープがないとなかなか難しい部分ではある。
通法通り根管治療開始。結局、全顎的治療ご希望され、最終的な補綴物はオールセラミッククラウンでご希望されているため、全てマイクロスコープ下で治療。
MB2が存在するような形跡あり。
CT写真により上顎洞炎の併発が確認されたため、耳鼻科的診断・治療を依頼。
想像するに、MB2の見落とし、隔壁も形成されず、感染歯質の取り残し、ドボドボの根管消毒薬が上顎洞に流れ込んだ可能性大。
上顎洞のように閉鎖された空間にいったん炎症が起きてしまうと、消炎するのに時間がかかる。
マイクロスコープを用いてMB2を探索したが、石灰化が激しく結局見つけることができず、
1週間後の2回目の治療日には痛みが完全に消失したが、まだ打診痛が残っていたため、内部洗浄と、消毒薬塗布(水酸化カルシウム系・・・・現在の根管治療のスタンダード。未だにホルマリン系の消毒薬を使用している歯科医の多いことには驚きであるが・・・・)し、あまり刺激を与えないようにし、耳鼻科的処置を優先。
1ヶ月後、歯科的にも耳鼻科的にも症状は完全に消失したので根管充填。(保険外診療のため、MTAシーラー使用。)
結局MB2は根管治療できなかったが、症状が完全に消失しているため、また、レントゲン所見でも問題ないため、執拗に追い求めて2次的パーフォレーション起こすと元も子もないので、探索した部分はMTAのみ充填した。
根管充填後写真
DSC_6729.JPG
この後ダウエルコア、プロビジョナルクラウン作製し、しばらく経過観察後、問題ないなら最終補綴物作成開始。