医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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  • 歯科医により歯に穴を開けられてしまった場合の対応・・・

2017.07.12歯科医により歯に穴を開けられてしまった場合の対応・・・

最近、他医院において根管治療、補綴治療が行われたものの、痛みと腫れが出てきた症例。
その歯科医院を再度受診すると抜歯、インプラントと言われたそうで、当医院へ転医。
術前写真、一部根尖に影。
DSC_6164.JPG
補綴物除去、根管治療開始。 
補綴物自体の適合精度が悪いので、内部が既に汚染されて変色している。
基本的にこの様な歯牙の予後は良くない。
一部根管はパーフォレーション、すなわち、前歯科医により歯牙に穴を開けられてしまっていた。
根管充填後、パーフォレーション部はMTAで修復。
このように、不適切な根管治療、それも何回も繰り返されると予後は極端に悪くなるが、一度根管治療を行うべきである。ただし、精度の高いものでなければ意味ないが。
(本ケースは、この歯牙が保存できれば補綴物はオールセラミッククラウンをご希望されていたので、根管治療もマイクロスコープ等、保険外診療で行っている。)
根管治療後。
症状は完全に消失しているが、プロヴィジョナルを装着し、数ヶ月経過観察行い、問題なければ最終補綴へ。
DSC_6162.JPG
このように状態の悪い歯牙でも保存の可能性があると書くと、色々問い合わせがあるが、垂直的破折、高度な歯周病由来、合併ケースは無理だし、治療計画上、保存する事より抜歯した方が利益が大きい場合もある。
あえて書くが、ネットなどでの枝葉末節の情報が、さも一般論かつ通変的と短絡的解釈の人は多い。
無論、患者さん自身の病態、治療内容の理解と協力は必須であり、大前提。
それら無しに高度な事を行ってもロクな事にはならず、それなら最初からシンプルな治療で抜歯となっても致し方ない。
患者の治療要求が高くない→歯科医は勉強しない→ほどほどの治療に終始→そのような治療を求めた患者が来院、のスパイラルであるが、歯科医が研鑽しないのは単なる言い訳でしかない。
私には関係ないが。
これは治療全般、いや、歯科だけの話ではない。

抜く、抜かないはその歯科医次第と言っても過言ではないが、何でもかんでもすぐ抜いてインプラントというのは論外。
いつも書くが、歯科医の本質は患者さんの歯を残してナンボ。