医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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2017.06.19The new ASTRA TECH EV Implant (新型 アストラテックEV インプラント)

日本国内で6月19日より、海外から3年遅れでようやく発売されるアストラ製新型インプラントである。
発売解禁ということで、症例も解禁する。
処置自体は正式発売前の1ヶ月前に既に行っており、日本の一部の歯科医院の中の一軒ということ。
今までのものと比較すると初期固定の向上、即時荷重可能な事が売りか。
ドリリングプロトコルが複雑になったという歯科医もいるらしいが、私はそうは思わない。
その他にも従来品と比較してのメリットが色々あるが、画期的と言うほどのものではない。
フィクスチュア、スクリューのサイズアップによる強度アップ、緩み防止も、今までこれらの破損の経験が無いのでなんとも言えない。
アストラに関して、ロストの経験もまったくない・・・・・今のところは、・・・・・こればっかりは分からないというのが本音。
他医院のトラブルの原因の多くは咬合と治療精度だと思う。
従来品と機器、パーツに互換性がないので、一通り買い足さなければならないが、まあ、それはよい。
当医院の場合、インプラント一つとっても多様な症例に対応可能な様、様々なシステムが存在するので、スタッフが管理するのが大変だ。
アストラの、インプラントホールとインプラントフィクスチュアの間を少しルーズにし、血流を豊富に介在させるという元々のコンセプトは何処に行ったのかという突っ込みはある。
EVは、特殊なインプラントドリル形状が「ミソ」なのだが、個人的に従来のTXタイプも、アストラの埋入プロトコル通りには行わず、ケース・バイ・ケースで強固な初期固定を獲得してきたので、特に大きな感動はない。
0.1mm単位でのドリルサイズを用意している歯科医院はそうそうないそうだ。
それより、アバットメントがBiomet 3iの様に、カチッとはまり込むスリットが出来た事はメリットある。
EV第一弾。
上顎右側サイナスリフトを伴うインプラント治療。
術前、インプラント埋入のための垂直的十分な骨量がない。
DSC_6134.JPG
EV 4.8S/9mm 2本、移植骨は自家骨+Bioossで、ラテラル法によるサイナスリフトと同時埋入。
Biooss-pen、日本未発売だが、シリンジに入っていて、そのまま上顎洞内に送り込め、使いやすい。

オペ中の判断で、プロトコル通りの埋入方法を採っていない、即ち、A-B、V−Xドリルは使用しいていない、というかこの様なサイナスリフト同時埋入では意味ないが、それでもネック部分のみでも結構強固な初期固定(25Nm以上)を得られた。
そもそも、サイナスリフト併用なので、プロトコル通りの埋入は意味ない。
処置時間は実質1時間以内。
埋入直後の写真。
EV4.8S/9mm
DSC_6132.JPG
この後、6ヶ月待機させ、骨とのインテグレーションを待つ。
アストラは他のインプラントと比較して待機期間が短くて済むということなのだが、私はじっくり待つ。
急いで上手く行かず、やり直しの方が結局時間掛かるので。何事も慎重に。


サイナスリフト、ウインドウオープンに最近良く使うKavoスケーラー+専用チップ。
強い振動で骨を切り裂き、弱い振動で上顎洞内シュナイダー膜を剥離できる。
ピエゾなんかよりコンパクトで取り回しが楽、かつ、使い勝手が良く、最近のお気に入り。
ピエゾなんか買わなければよかった・・・・

IMG_1344.jpg

シュナイダー膜を剥離するための各種器具の一部。
IMG_1343.jpg
同一患者さんの上顎反対側、サイナスリフト(ソケットリフト)+TX5.0S/9mmインプラント。
DSC_6131.JPG
EV新パッケージ(微妙?絶妙?なサイズ感の3.6mmのもの・・・パッケージが大きくなった、以前の方が良かった・・・)
IMG_1412.jpg