2017.05.24昔、昔、その昔の治療
開院当時の患者さんの再来院、即ち、10年〜20年前の通院者の再来院が年間通して結構ある。
特に治療後の継続したメインテナンスを希望されていない、途中でウヤムヤで行えていないのだが、当医院の通院後紆余曲折あってのか、他医院受診もあっての再来院である。
メインテナンスが行えていないので、虫歯、歯周病の進行がそれなりにあり、悲惨な事になっている場合もあるが、
一つ言えることは、過去の当医院での根管治療に問題出ているケースがほとんど無い事、補綴物の2次カリエスの発生もほとんどない事、当然、脱離も皆無に等しいという事。
ほぼ全て保険診療の場合である。
保険外診療の場合は、患者さん自身の関心度も高く、治療後のメインテナンス率が非常に高いので、余計に虫歯、歯周病の再発生、進行度合いは低い。
当医院受診後の他医院による治療がことごとく問題出ているにもかかわらず、と言うか、そこに問題出たので再来院ということなのであるが。
10〜20年前の治療に問題無く、直近の治療に問題出るとなると、患者さんも色々考えるようで、いったん全てリセットして全顎的治療となるケースも多い。
盲目的に保険診療=ダメ、自費診療=スバラシイというのは単なる幻想である。
要は歯科医がどこまできちんと治療しているかに他ならないのだが、
保険診療で使用する材質、金属の摩耗、レジンの摩耗、変色、経年劣化は避けようがないし、精度的にも段違いなので、このあたりは自費診療に大きなアドバンテージがある。
また、義歯(入れ歯)を作製しても、調整せずそのまま使用していると、顎の骨が吸収し義歯の安定を欠き、部分義歯なら金具が掛かっている歯牙に問題発生し、状況が悪くなるのだが、このあたりもインプラントは圧倒的にアドバンテージある。
コストかければいい治療というわけではないし、保険診療が全てダメというわけでもない。
基本に忠実に、精度の高い治療を行い、治療後はメインテナンスを確実に行ってゆく事が大事だと再確認している。
それともう一つ、患者さん自身の現状理解と、問題意識、その問題解決のための方法への確実な理解というものも非常に大事であり、このあたりの温度差が予後の大きな差となる。
関心なし、放置→どんどん悪くなる一方→どうにもならなくなる→元と同様に回復治療にはコストがかかるは当たり前。