医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.04.24左下4567コンポジットレジン充填術後3年

DSC_6850.JPG
保険診療によるコンポジットレジン充填である。
一番奥の8、親知らずは、いずれ抜歯になるので、前医による過去のコンポジットレジン充填を研磨のみ行う。
(元々他の部位は、この様な感じの形態もただ単に詰めただけ、色調も合っていないコンポジットレジン充填や、適合不良保険メタルインレー処置が行われていた。)
どこをどのようにコンポジットレジン充填したか分かるだろうか?
素人目でも充填箇所が分かるようではいけない。
全て隣接面を含む咬合面、7部はホワイトニング行ったものの変色が取れないため、敢えて周囲の色調に合わせてある。
ただし、マイクロスコープを用いての治療時間は猛烈にかかります。(4本で1時間以上。このケースは保険診療なので分けて処置。)
メインテナンス毎に研磨を行えば、ある程度長期間は安定可能だが、もっと長期の予後には疑問が残り、保険適応外の
コンポジットレジン充填や、やはりe-maxなどのセラミック系インレーによる治療が良いと思う。
コンポジットレジン充填は、全くメインテナンスなしだと、中長期的には艶がなくなったり、変色、欠けは避けられない。
したがって、猛烈に時間をかけ、長期的予後には疑問が残るが、口腔内直接法にて1回で治療完了となることを選択するか、回数は数回必要だが、1回あたりの時間はそれほどでもない、型とりを行い、歯科技工士に作製してもらう間接法を
選択するか(材質はコンポジットレジン、メタル(いずれも保険適応、保険適応外の選択がさらにある)e-maxなどのセラミック系(保険適応外))それぞれ、メリット・デメリットがあるので考えて頂く余地がある。
私の場合は、可能な限り保険診療ではメタルフリー、審美の優先順位が高いので、また、患者さんの意識が高い場合が多いので、コンポジットレジンを第一選択としている。
しかし、修復部位が大きいとコンポジットレジン充填では長期安定が望めないため(アクロバティックなコンポジットレジン充填を何の考えもなく行う歯科医もいるが、果たしてどこまで持つのか非常に疑問である。)、保険診療ではパラ合金、保険外診療ではゴールド(近年あまりないが。)もしくはセラミック系(PFMも含む)での治療が多い。
コンポジットレジン充填の基準、特に臼歯部においては、近遠心隅角部(歯の隣合わせの部分、咬合の関係もあるが、両側が大きくやられていると不利。これは同部にクロージャーストッパーならびにイコライザーという重要な咬合ポイントを付与するからであるが、そのような「咬合」をご存じない「審美歯科医」が多数存在し、彼らと話をしていて、「審美歯科とはこんなものなのか?」と、昨今、審美が機能より優先されていること、コンポジットレジン充填を欠けなどのトラブル回避のため、少しズルい歯科医は甘い咬合付与を行ったりしている事実も含めてガッカリした経験がある。したがって、私は審美優先の治療は行わないし、審美的要求が高い場合は、最適なマテリアルを選択している。
動画サイトなどで紹介されている国内外のコンポジットレジン充填症例も、ラバーダム装着したまま、形成〜コンポジットレジン充填〜研磨でキレイにできました、そして、ラバーダム撤去、終了で、咬合調整の部分が全くないものがほとんどなのだが、彼らは何時の時点で、どのような咬合付与を行っているのか一切分からない物が多く、ワタシ的には非常に謎であり、疑惑の治療である。
繰り返すが、一番重要なことはこのような事実を歯科医も、そして患者自身も認識していないことなのであるが、歯科医はともかく、患者さんには非常に不幸な事である。中長期的予後不良が、過去の治療に起因しているとは考えが及ばないから。もっとも、メインテナンスも非常に重要なので、患者さん側の責任もあるけれど。話が大きく脱線した。)の大きく修復が必要なケース、機能咬頭を含むもの、咬合関係がシビアなケース、強いパラファンクションが存在し、ナイトガード使用が確実に行なえないケース、審美的要求が低い、そもそも長時間の治療に耐えられない、その他は選択肢とはなりえない。
詳しくはご相談を。

本症例は、3Mフィルテック・シュープリーム、フロータイプ併用+クラレ・マジェスティES2、フロータイプ、Kerr Herculite、PREMISE、ステインはKerr カラープラス使用(全て保険適応)、研磨は7段階以上必要。
保険適応外だと、これらコンポジットレジンに加え、3Mフィルテック・シュープリームTXE、クラレ・マジェスティES2 プレミアム、エンプレス・ダイレクトその他も使用する。