医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.04.21ホワイトニングの誤解

ホワイトニングご希望の方も多いが、患者さん自身、そして歯科医の勘違いも多いので一言。
ホワイトニングは審美治療の一環として安易に行われる傾向があるが、虫歯、歯周病、その他の歯科疾患を放置したまま行うべきものではないし、色々もっともらしい説明がなされるが、そもそも、ホワイトニングは治療行為と言えるものではなく、コスメティックの分野である。
審美治療は、健康な口腔機能、環境を取り戻すことが優先され、それらをおざなりにした状態での審美治療というものはありえない。
歯科医からどのような説明がなされているのか、患者がどのような理解をしているのか分からないが、大枚はたいてホワイトニングのみが行れ、虫歯も歯周病もそのまというケースに何度も遭遇している。

私はあくまでも自然な仕上がりのホワイトニングをお勧めするのであって、過度な、真っ白なホワイトニングは反対である。
色調の基準にVITAシェードと言われるものがあるが、日本人の一般的な色調はA3~3.5であり、通常ホワイトニングで1〜2段明るくするだけで、即ちA2程度で十分と考えている。
当医院では、ホワイトニング用トレーを作製し、ご自宅で行って頂くホームホワイトニングをメインに行っているが、
通常、1日30分〜2時間の使用で、7〜14日で十分目標達成可能である。
この他にも、もっと強い薬剤を用い1〜2回で医院で行うオフィスホワイトニングという方法もあるが、
確かに即効性があるが、仕上がりはホームホワイトニングの方が自然である。
過去、幼少期のテトラサイクリン系抗生物質の投与による歯牙の黒変に応用したが、程度の差にもよるが完全除去は困難であり、セラミックラミネート等を併用する場合が多い。

何人もの海外の患者さんを診察しているが、欧米、特にアメリカでは日本よりホワイトニングが簡単に行えることもあってか、皆一様にホワイトニングをされているが、私の感覚からすると非常に白く仕上がっている。
肌の色が違うので、顔貌との調和はできているが、日本人には過度だと思われるような色調、即ちA1を飛び越え、ホワイトニングシェードと言われる状態になっている。
繰り返しになるが、ホワイトニングは治療行為とは言えずコスメティックの部類に入るので、個人の嗜好が大きく中々判断は難しいが、過度なホワイトニングは厳禁である。
ホワイトニング行ったものを元に戻すことは不可能であるから。

歯科医による、本当に何も考えていない安易なホワイトニングには警鐘を鳴らしたい。
歯科医が、ホワイトニングを歯科衛生士や歯科助手にカウンセリングから丸投げしているところもあると聞く。
また、歯科医不在、一応歯科衛生士のみ、それすら不在のホワイトニングサロンのようなものも昨今出現しているが、
どうなんだろう。
あくまでもセルフサービスというのがミソらしいが。
既存の補綴物と色調が狂ってしまってトラブルという話も聞く。

同じく、安易な抜歯、セラミックブリッジ補綴による短期歯並び改善(改善ではない。中長期的に必ず問題出るし、
歯科医が治療行為として行っているので、もっと罪深い。)の問題もあるが、また、別の機会に。