医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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2017.03.29マイクロスコープ入れ替えました・精密根管治療その他

機械自慢の類は大嫌いなのだけれど、開院当初から使用していたマイクロスコープを新しいものに入れ替えた。
90年代後半から2014年までの日本における、マイクロスコープの販売台数は5000台程度である。
当医院が1台目を導入したのが1999年だが、当時から2000年までで約3000台なので、ここ数年、使う使わなにかかわらず一部保険導入されたことで急速に導入が進んでいることは事実だが、日本におけるマイクロスコープの総数はしょせんこの程度であり、当医院のように1医院において複数所有しているケースもあるので、実際にマイクロスコープを装備している歯科医院などたかが知れている。
しかも使いこなしているう医院となると・・・・・現実は寂しい。
開院当初、日本では歯科においてマイクロスコープを使用して治療の精度を上げるというコンセプトは全く無く、一部の好き者、海外帰りの歯科医の間で、これからマイクロスコープは精度の高い治療を行う上で非常に有用な機材となるだろうとの話はあった。
したがって、当時は歯科用マイクロスコープというものは日本では販売されておらず、しかたがないので私はZEISSの耳鼻科用のものを使用してきた。
しかし、元々歯科用ではないので、色々使い勝手が悪い部分もあったのだが、それはまあ、慣れで克服してきた。
長期間使用してきたし、日本でも最近では歯科用マイクロスコープを様々なタイプのものが販売されるようになってきたので、入れ替えることとした。
またまたドイツ・ZEISSのものである。
本当に、臨床においてマイクロスコープを用いる歯科医のスタンダードである。
今まで写真撮影を行おうにも、視界が暗く肉眼で見るほどキレイに撮影できなかったが、照明の性能アップ、ビームスプリッターの効率アップと、重い高性能一眼デジカメを装着してもアームのブレがなく写真撮影が可能になった。
そして、バランスがよく取り回しが楽なことが大きい。
今回の照明はLED。
もっと明るく色温度が太陽光に近いキセノンのものもあるが、マイクロ歯周外科時にはキセノンの発熱が繊細な歯周組織にダメージを与える可能性があるのと、最近のカメラの性能向上により、LED照明とした。
自動車のヘッドライトはキセノンよりLEDの方が上級オプションなのだが、マイクロスコープではなぜか逆。
今までのものと比較すると圧倒的に明るく色温度が高いので、慣れが必要だ。
念のため、様々なメーカーのものがあり、色々試してみたが、やはり圧倒的な性能差がある。
LEICAカメラの愛用者としては、同メーカーのものに非常に興味があったが・・・
性能も、価格もピンきりであるが、安物はそれなりの性能しかなく、視野の隅々までシャープではなく、長時間使用していると確実に目が疲れるし、アームの取り付け剛性が低いので、ピタッと位置決めができず、とても精密な診療には耐えられない。
中には安いのはいいが、ゴミ同然のものもある。
まあ、マイクロスコープ使ってます感を演出したいなら、それでも十分だが、高度な使用には全く耐えない。
それと、保険診療においても条件がそろえば、マイクロスコープ加算というしょぼい点数を算定できるようになったのだが、安物マイクロスコープならともかく、当医院のものはそんなしょぼい点数でとてもペイできるようなものではないし、そんな中途半端なもの、私は算定もしない。
残念ながら、日本においてはマイクロスコープもまだまだ普及率は5%にもならないし(しかも都市圏集中)、使用するには知識とテクニックが必要であり、また、高価な周辺機材も必要なので挫折してしまう歯科医が多いと聞く。
歯科医院のマイクロスコープ装備実績は、近畿厚生局が開示している医院情報を参考にされるといい。
それによると、内容はともかく、とりあえずマイクロスコープを装備し、届け出ている歯科医院は京都府下では50軒程度である。(自費診療のみの歯科医院は除く。)
Webなどでマイクロスコープ完備と自慢の歯科医院でも、届け出していない医院もあるらしく、結局使いこなせていない、単なるハッタリという場合が多いらしい。
マイクロスコープを使用したからといって、治療が格段に効率的になるというものではなく、全く逆の場合が多い。
マイクロスコープで何ができるかと言えば・・・・・ただ、大きく見えるだけである。
マイクロスコープ自身が高度な治療を行なってくれる訳では決してない。
ここ、素人が騙されやすいポイントなんで、非常に大事です。
しかし、この大きくみえる事が大事であり、微細な問題点の発見や、調整、確認、その問題点への最小の介入が、より侵襲度の低い治療を可能とする。
いつも言っているように、歯科治療は精度が全てである。
しかし、大きく見えればそれで良いというものでもなく、今まで見えてないものが見えてくるので、例えば、倍率15倍なら、15倍以上繊細な仕事が必要になるなど、処置にかえって時間をとられる。
そのような治療精度で行う技術も、マイクロスコープ以外の周辺機材も一式揃えなければならず、また、診療システムから治療時間もとれないなら、導入しても意味はない。
知人にマイクロスコープ導入の是非につて何度も質問を受けているが、保険診療主体の医院では導入不可能であり、メリットもないから、それなら衛生士などのスタッフにルーペを使用させる方が遥かに効果的だと常々アドバイスしている。
したがって、日常的にマイクロスコープを使用し、使いこなせている歯科医は1%にも満たないだろう。
今回、マイクロスコープ導入にあたり色々業者と話していると、マイクロスコープが単に診療室の飾りになっている場合が多い、客寄せの道具になっている、実際使いこなせていない、単なる保険診療の点数稼ぎなど、日本におけるお寒い事情も聞けて大変興味深かった。
もっともそのような歯科医院は前述通り高価なマイクロスコープではなく、安モンメーカーのものが多い。
マイクロスコープが本当に活躍する場面は、根管治療、クラックの確認、微細な歯周外科、補綴物作製のための歯牙形成、補綴物の適合確認、、、、多岐にわたるが、意外と応用範囲は狭いともいえ、かなりの部分は機動性の高い高性能ルーペ(私も治療の半分程度はZEISSの×4.3とサージテルの×6.0のヘッドルーペで対応しているし、通常はこれで十分である。しかし、こんなものさえ導入していない歯科医院は多い。)でも処置可能であるし、元々複雑な治療を行っていない歯科医院や、患者からそのような治療要求もない医院なら、導入しても高価な無用の長物でしか無い。
保険治療で一応可能となっているが、あまりにも治療時間がかかりすぎるため、実際に保険診療全てでマイクロスコープを使用している医院は無いと思うし、私も行なっていない。
最初から最後までマイクロスコープを使いっぱなしということは無いと思う。
上手く使いこなせないので、意外と等倍もしくは弱拡大モードで、やってます感出しているだけかもです。
冗談ではなく、真面目な話、リテラシー低めの患者相手、道具自慢系の歯科医は、このくらいの演出を平気で行うヒト多いですよ。
本当にそれなら、安いポルシェでも買った方がマシである。
前述の通り、多くは対患者用ハッタリオブジェになっているということが現実だ。

マイクロスコープ、その他の先進治療機器は、知識がお粗末で、不器用、稚拙な技術、経験の歯科医を何の苦労もなく高精度で器用な治療ができる歯科医に変身させられる機器ではないが、患者の誤解も多い。・・・ここ、非常に大事。

マイクロスコープ完備という歯科医院につられて通院中の方は、いったい、どこのメーカーのマイクロスコープを使用して(安モンなら、本格的な治療は無理。ネットででもその歯科医院が使用しているマイクロスコープの価格を調べられたら、その差に愕然とするだろう。ただし、高いものほどいいとか、スゴイとは限らないので、判断は非常に難しい。脳外科医や形成外科医、心臓外科医のように肉眼で識別困難な血管や神経を縫合する訳ではないので、歯科においては、無茶苦茶高性能なものは必要無い。)、どのような繊細な治療を行い、どれほどの治療成績を上げているのか確認された方がいい。
以前ににも書いたが、高価でいい包丁を買ったからと言って、すばらしい料理ができるかどうか疑問なのといっしょ。

Webで機械自慢していても、その診療機器でどのような成果を出しているか公開していないなら、実態は怪しい。
マイクロスコープに限った話ではないが。
また、繰り返すが、保険診療がメインの歯科医院にそこまで求めるのも無茶であることは認識されたほうがいい。
なので、Webなどでマイクロスコープ自慢していても、豊富な使用実例の提示がないなら、その歯科医院がすばらしい技術を有しているかどうかは闇の中である。

というわけで、よその事は知らないが、私は、さらに高度な治療を目指したいと思う。

マイクロスコープを設置している歯科医院がいい歯科医院なのか?=NO!
マイクロスコープを持てば良い治療ができるのか?=NO!


日本にある歯科は約70000軒、マイクロスコープの普及率は約5%、すなわち3500軒、この中で本当に使ってるのは、はてさて何軒あることやら・・・・・

こんな重いものをドイツ本社からルフトハンザの空輸で来たらしい。
輸送費いくらなのやら。
フェラーリは空輸による納車サービスは150万位らしいので、、、、、
その分、船便でいいので安くしてもらいたが、、、、、

ドイツで作りたてホヤホヤの新しく導入したマイクロスコープ+撮影用デジタル一眼レフカメラ。
写真、動画がうまくMacに飛ばない、LED証明故か、ホワイトバランスがうまく合わず写真の色調が今ひとつ変という課題を解決せねば。
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