医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.02.20講習会@東京

土曜日休診させて頂き、土、日と、東京で行われたWorld Summit Tour 2017に参加して来た。
インプラントを中心とした世界規模の講習会である。
業者主催なので、ある程度冷静に冷徹に見る必要はあるが。
色々トピックスがあるのだが、
1つ目、デジタル技術の歯科分野への応用がかなりのスピードで進行していること。
当医院でも既に導入しているCT撮影から3D再構成行い、治療計画の立案、サージカルガイドの作製、CAD/CAMによる高精度な補綴物の作製が主たる題目。
実際にデンツプライシロナのセンターの見学にも参加したが、もはや歯科技工所というより、マクラーレンの工場のようなクリーンな感じであった。
今迄、スウェーデンで作製していたものを全てではないが、日本で日本人のオペレーターにより、日本人向けのデザインで製造開始する。
しかし過信は禁物、全てのプロセスがデジタル化できるかと言えば、まだまだ程遠いし、光学印象、レーザースキャンの精度も、コンベンショナルなシリコン印象と比較するとまだまだというリサーチも提示された。
事実、デモも見たが、私の医院が依頼している歯科技工士が作製する補綴物の精度には遠く及ばない。
補綴物は精度が全て、誤差からくるマイクロリンケージが2次カリエスの発生の大きな原因である。
当医院でも対応して、良好な結果が出ているインビザラインも同様のシステムで作製されているが、アライナー作製精度では全く問題ないが、精度のオーダーが数ミクロンを要求される補綴物に完全に応用されるのはまだ先になると思うが、先に保険治療のメタルクラウンに応用し、時間短縮、コストダウンし、時間がかかる補綴物は、一部はマシーンメイドとし、その後は熟練した歯科技工士が作製した方がいいと思う、というか、ポーセレンの築成などは完全にマシーンメイドは不可能だと思う。
チェアサイドのCAD/CAMのみによるワンデイトリートメントも、全く知識のない患者にはインパクトがあり客寄せの道具としては良いかもしれないが、機能、審美の完全なる再現は歯科技工士の修正なしでは現状では不可能である。
以前、歯科技工士の修正なしの補綴物を見たことがあるが、形態はのっぺり、色調も単調で深みがなくタイルみたいであり、とても私の臨床には使えないと思った。
日進月歩の技術技術革新の今、数年以内にはキャッチアップされるだろうが。
ただし、もっと大前提、現在の工業会の機械加工精度からすると、歯科の世界はまだまだだと思う。
まあ、工作機械の値段が全く違うが。
基本に忠実、かつ、支台歯形成などは今まで以上に繊細なテクニックが必要とされるが、多くの歯科医が誤解していることは懸念材料ではある。
2つ目、新型アストラインプラントが発売開始となる事。
画期的とは言えないが、色々便利な事もあり、当医院でも即、導入する。
3つ目、骨移植の検証と、治験中の新しいタイプの人工骨OCP(リン酸オクタカルシウム)が、いよいよ1年以内に発売されるという事。私的には一番興味深い。
発売されたなら、サイナスリフトなどのGBRのスピードと予知性が飛躍的に高まると思う。
また、人工骨移植とは相反する部分もあるのだが、当医院でも既に使用しているショートおよびナローインプラントの予後が通常のものと比較しても全く遜色ないというデータが出揃った事。

日進月歩のこの世界、ぼーっとしているヒマはない。

と言う事で、明日からの診療に活かしたいと思う。