医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.02.22根管治療の話

根管治療は、日本においては、あまりというか全く評価されていない分野であるが、非常に繊細な治療であり、根気と技術が要求され、歯科医間の差が大きく出る分野である事は何度も述べた。
インプラントとか、審美とか、効果が劇的で、素人受けし易い分野とはえらい違いである。
しかし、歯牙を保存する上で、根管治療は非常に大事であり、歯周治療と並んで、これら基礎工事部分がマトモにできもしないのに、その上モノのみコストをかけても全く意味はない。
もっとも、根管治療がいい加減な歯科医の上部構造もそれなりであるが、一般の方には全く判別できない。
近年、根管治療分野は非常に進歩し、マイクロスコープ、CBCT、MTA、バイオセラミック系根管シーラーそして特に高性能なNi-Tiファイルは根管治療の治療効率を劇的に変化させたとも言えよう。
顕微鏡下でチマチマ1時間くらいかかけてファイルで治療を行っていたものが、かなりの時間短縮が可能となった。
ただし、操作を熟知していないといとも簡単にファイルは破折し、それなりの設備がないと除去が困難となる。
他医院のファイル除去は非常に煩わしい。
以前、タレントの釈由美子さんがブログに書いたあの話である。

さて、神経を細かい作業で抜き取ったなら、その空洞を何かで充填しないと、細菌の温床となる。
今まで、保険診療未認証であるので、保険外診療においては、MTAを使用してきたが、少し前からバイオセラミックシーラーも使用し始めた。
これ自体は数年前にアメリカで発売されたものなのだが、なにせ、流行り廃りの激しい世界であり、新しもの好きで導入するとエライ目に会うので様子見であったが、評価も定まってきて、アメリカの歯内療法専門医ではMTAに取って代わる勢いである。
私生活では新しもの好きは全く懲りずで痛い目にあっているが、仕事では慎重な私である。
保険適応外なのがまだまだネックではあるが。
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