医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2017.02.16根管治療は、根幹治療だということ

右下7部は、数年前に他医院で行われた根管治療〜補綴治療である。
補綴物装着時より違和感があったが、そのうちになれるとの説明を受け続けていたとのこと。
しかし、突然の痛みと歯肉の腫脹にて当医院に来院された。
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術前レントゲン写真。
術前レントゲン写真では、お粗末な根管治療、いや、根管治療と呼べるべき代物ではない治療が見られる。
補綴物を除去してみると、根管治療にはVitapexと思われる主に乳歯に用いられる薬剤が適当に充填され、腐敗臭を伴ったドロドロ状態であった。
昭和の治療かと思った。
未だにまだこのような治療を行っている医院があるとは・・・・
一部の根管は治療の形跡すら見られない。
Vitapex用いた治療は簡単で時間の節約となろうが、時間の経過とともに、必ず2次的問題が発生する。
しかし、患者さんは、まさか過去のいいかげんな治療に問題が起因するとは想像もつかない。
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通常通り根管治療が終了した状態。
2回程度の根管治療後、根管充填。歯根端まで緊密に充填されていることが確認でき、根尖のレントゲン透過像も消失してきている。
今回は保険診療なので、通常の治療方法とした。
保険診療でも、確実に行えば結果はついてくる。
この後は保険診療で補綴物を作製し、治療終了となった。
大元となる部分を手を抜いて、上モノだけ高価な物を装着しても何の意味もない。
なので、根管治療は、根幹治療ということ。
残念ながら、このような事態は日常的であるが。
保険診療だからほどほどということではなく、きちんとした治療を行うべきである。

保険診療において全てマイクロスコープを用いることは、労力、時間、コスト的に歯科医院にとって大変な負担となり、現実的には不可能だが、中途半端なことを行って2度手間になることは避けたいという思いは強い。