医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.11.01インプラントが折れる?

アストラインプラントが破折するという報告がある。
世界的にもそのような報告があり、何年か前にネック部分の設計変更が行われ、その他のプロトコルもマイナーチェンジされた。
当医院ではまだアストラインプラントを導入して1年半程度しかなく、症例においてBiomet 3i社製のものと併用しているので、アストラインプラントは100本にも満たず、また、完全に治療終了しているものも60%程度なので、あまり大きなことも言えないがインプラント破損は勿論、インテグレーション不良によるインプラント体脱落は、Biomet 3i社製のものも含めてこの7〜8年位はゼロである。
Blogでも紹介したが開院以来インプラントスクリュー破折を数ケース経験したのみで、インプラントフィクスチャーの破折の経験はない。
インプラントスクリュー破折のケースや、インプラント上部構造体の摩耗、破折に関しては、再三の警告にも関わらず、就寝時のナイトガード装着等の指導事項を患者が順守しなかった事が主たる理由である。
同じようなコンセプトで治療を行っている他の先生方に聞いても、ほぼ同様の臨床成績という。

学会等での破折失敗ケース発表を見ていると、
・そもそもの診断が甘い。
・その上、様々な問題点を放置し、全顎的な治療が行われず、欠損部に単にインプラントが埋入され
 ているのみ。
・インプラントはもとより、全ての治療の精度が低い。
・診断時に分かることであるが、ブラキシズムへの考えが甘い、もしくは就寝時のナイトガード
 装着を行わせているか、また、患者が確実に行っているか疑問。
・確実にメインテナンスが行われていない(医院側の問題?患者側の問題?)

と、いうようなことが共通点として見られるのだが、残念ながら、それらの先生方は何も気がついていない、考えていないということが実情であり、それを棚に上げてインプラント会社が悪いという風潮になってしまい、知識、経験豊富な先生の意見以上にインプラント自体、インプラントメーカーが悪いという風になっていることは非常に残念である。
別に、インプラントメーカーの肩を持つわけでもなく、提灯記事を書いているわけでもない。
一つ補足するなら、世界的なメーカーなら、仮にトラブルが発生しても、保証システムがあるので安心である。
全ての商品、サービスはピンからキリまであるのと同様、インプラントも様々。
インプラントの良し悪しを決めるパラメーターは多数あるが、品質を再優先に考えるのか、コストを再優先に考えるのか、それは患者さんが決めることである。
なので、よく調べるべきである。