2016.10.10前歯部審美インプラント症例
上顎前歯へのインプラント治療。
使用インプラントはASTRA。
インプラントフィクスチャーにプロヴィジョナルクラウンを直接ネジ止めした段階。
3〜3部、6前歯全てプロヴィジョナルクラウン。
インプラント埋入角度から、アクセスホールが唇側にあるが、問題ない。
これは、顎堤形態から、無理に骨造成は行わなかったため。
プロヴィジョナルクラウンを外した状態。
歯肉がきれいに治癒しているが、審美の観点からここからポンテック部直下歯肉、歯間乳頭部歯肉の形態修正は必要。
骨の状態から、インプラント埋入方向の関係でスクリューホールが外側にきており、同部を仮封してある即時重合レジンに若干の変色が見られ、審美的に問題あるが、交換しながら歯肉の熟成とアバットメント完成までは、このままで経過観察行う。
構造上、テンポラリーシリンダーが透けて見えるが、これも最終的には問題なくなる。
上部構造をPFMCrとするため、アバットメントはチタンを用いたアトランティスにて作製されたものを、作られた歯肉形状に合わせて技工士さんに微調整してもらう。
いくら最先端のCAD/CAMと言えど、最後は人間には勝てない。
調整されたチタニウム製アバットメントが、最終トルクによりインプラントフィクスチャーにセットされており、この上に、新たに作製されたプロヴィジョナルクラウンをセメントにて仮着してある。
メタルの透けがほぼ無くなっているが、最終的にはPFMCr上部構造体のため、何の問題もない。
健康な歯周組織に現れるスティプリングというコラーゲン繊維の走行が分かる。
このあと、さらに歯肉の熟成を待ち、最終補綴物作製にとりかかる。
ビスケット試適の状態。
最終完成時。
しばらく経過観察後、さらに微調整し、歯間部ブラックスペース、ポンティック下形態修正、歯肉サポート形態修正を行った。
自然な感じが再現できた。
無論、適切な咬合付与されていることは言うまでもない。
最終補綴物が入った状態で2年経過。
審美領域は、特に時間をかけて対応する必要がある場合も多く、
ポンポンと簡単には済まない。