医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.09.29インプラント構造

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インプラント治療において、上部構造をクラウンーブリッジとした場合の構造。
今回の写真は全てのものをラインナップして写真を撮ることはできなかったが、インプラントメーカーが違っても、ちゃんとしたメーカーなら、あらゆる症例に対応可能なよう、ほぼ同じ構成である。
上はBiomet 3iの、下がASTRA。
そもそも、これら2社のものを症例に応じて使い分けるのだが、さらに、

下から、
1・インプラントフィクスチャー(本体(説明用レプリカ、もしくは説明用で、実際は滅
  菌パッケージに密封されている)、骨の中に埋め込む部分、各メーカーとも症例に
  応じて形態、径、長さ、その他表面処理等含めて様々なものがラインナップされている)
2・アバットメント(土台部分)
  a・チタンプレッパブル(既製の形態を削り出して形態付与)
  b・UCLA(金属を鋳接して形態付与する)
  c・CAD/CAMを使用しジルコニア、チタン製アバットメントブロックを削り出して 
    形態付与(アストラのものは右3個がアトランティス)
  症例に応じてさらに、様々なタイプがある。
  当医院では、a・cを用いることがい多い。
3・スクリュー(アバットメントをインプラントフィクスチャーに規定トルクでネジ止めする)

4・この上にオールセラミック、PHMCr、メタルによる上部構造がセメントにて最終もしくは仮着セットされる。
  殆ど無いが、場合によっては専用アバットメントを使用して上部構造をネジ止めすることもある。

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アタッチメント義歯の場合、2を専用パーツ(LOCATOR、ダルロ、ドルダーバー、その他)を症例によって使い分ける。
写真はアストラ用ダルロ。

したがって、本来は単純に欠損部にインプラント治療しました、終わり的なものではなく、症例を詳細に分析し、上部構造体の設計立案、無論、口腔内全体を見据えての治療計画が必要となり、様々な要因を考察しつつ、精度の高い治療を行う必要がある。
何度も言っているが、地盤工事もキッチリできない状態で、上モノだけ立派なものは建たないのと同じ。
実際の建築の世界でも、色々問題が指摘されているが・・・・全く同じ。

近年、様々な分野に疎い歯科医のあまりにも安易な治療、前述の欠損部に単にインプラント埋め込みました、他の部位は歯周病、虫歯が進行していますが放置、患者さんが希望されないのでそれ以上のことは行いません、いや、どうしていいんか分かりませんというようなものに多く遭遇する。
また、治療自体を簡単に考えている患者自身、単に欠損部にインプラント治療を行いたい、しかし他の部分は問題あるものの自覚症状ないので治療不要的な理解の浅いケース、また、治療終了後のセルフケア、定期的メインテナンス、そのた順守事項を軽んじている場合も多い。

両者が混ざり合って失敗ケースも多く、これがインプラント治療事態の評価を下げていることに危機感をもっている。