医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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2016.08.29もはや新鮮味のない第8弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」

ちょっとバタバタしていて一回分抜けた。
まあ、どうでもいいけど。
いったいいつまで続くのやら。
同じ話の繰り返しで新鮮味に欠ける。
取材力の限界か。
周囲で話題になることも多いが、一つハッキリ言えることは、ある程度以上のリテラシーを有する人達は記事内容に懐疑的であり、そうじゃない人達が鵜呑みしているということ。
同列の記事を読んで、ちょっと考えれば分かること。

保険診療主体で、ホームページを自作した程度で圧縮可能なコストなどたかが知れている。
敢えて書くが、歯科医院に限らずその医院、会社の経営状況など、経営者の「欲」でどうにでもなる。
2代目、3代目で欲もなく、まあ食べれたらいいやというようなスタンスの人が到底基準にはならない。

よい歯科医の見つけ方・・・・非常に困難だ、というか、万人受けするようなものはこの世にはない。
雑誌には様々な事が書かれており、間違ってはいないが、決め手ではない。
なぜなら、大前提、患者さんの以前紹介した本「一流患者、三流患者」にもある患者力、格差激しく、治療要求もピンきりだから。
高度な治療を行うにあたり、コスト的問題をクリアできてもそのような治療を希望されない方はおられるし、
逆に、希望されてもコストが障壁になる場合もある。
なので、「いい歯科医療」など、定義付けは不可能だし、一律に、最大公約数的なものを提示しても意味はない。
したがって、論点をそこだけに絞ってみても堂々巡りで、いつまでたっても結論が出ない話なのだ。
だから、ダラダラと記事の垂れ流ししかできない。
別に歯科に限った話ではないだろう。
お腹が減った、何を食べようか?そうだ、寿司にしよう・・・と言っても、寿司屋自体もピンからキリまである。
安売りのくるくる寿司から、銀座の一等地の寿司屋まで色々、でも、実は地方都市の漁港に近いくるくる寿司屋の方が美味しかったり、、、、、様々である。
銀座の高級寿司屋も、関西とはシャリの作り方、ネタの処理の仕方の違いも大きいので、好みも別れる。
Aさんとってはベストでも、Bさんには最低ということが普通に発生する。
万人受けするようなものはこの世に存在しない。たとえ医療であっても。
安価な保険診療のみ提供し、最先端の治療は行わない、行えない歯科医院に高度な治療要求のある患者が受診しても全くムダである。
逆にほどほどの治療要求しか無い患者なら、高度な治療を行っている歯科医院を受診しても時間とコストのかかる治療の説明をされてもこれまたムダである。
「ほどほどの治療要求」、ということは意外に思われるかもしれないが、関心度、協力度、意識レベルは本当にピンきりで、恐ろしく低い人は実際に存在する。
大々的に広告を打ち、バカの一つ覚えのようにインプラント、インプラントと言って、しかしその内容はお粗末というのは論外だが、私の医院のようにインプラント治療を求めて遠方などからもはるばる来院され、結果、そのような患者さんが多いということとは別である。
私の場合、バカの一つ覚え的にインプラント治療等複雑な治療は、今まで書いてきたの理由から、そして、Win-Winの関係にならないなら、お勧めはしない。
お断りする場合も多い。
さらに、今まで通院されていた歯科医院をそのまま受診することをお勧めする場合もある。


この辺りの歯科医院のすみ分けがハッキリ行われている事実を十分理解すべきだ。
中々表には出ないが。


患者さんは虫歯1本と考えていても、精密検査行えば次々問題が炙りだされることなど日常茶飯事であるが、
これを細かいところまでよく診てくれると捉えるか、儲けようと思いやがってと考えるかはその人次第。
きちんとレントゲン写真や検査データをお見せするのだが。
誰もがきちんとした治療をして欲しいと言うのだが、治療要求が高ければ高いほど治療期間もコストも上昇し、ここに
患者の思い、意識レベルと歯科医院の方針の温度差、ミスマッチングが起き、無駄な時間とコストが発生する。
したがって、患者さんご自身の治療要求と受診しようとする歯科医院の方向性をあらかじめ調べるべきであるが、
何度も言うが、情報収集能力には大きな差があることも事実。
インプラント治療を希望で来院されても、ものすごく安く、1本1〜2万円で治療可能と考えている患者がたまにおられる。
どのような安物インプラントを用いてもこのようなコストでは不可能であるし、何よりもコストを抑えたいのなら、
メリット、デメリットを十分鑑み、雑誌にも記載している安売りインプラント治療歯科医院を受診すべきだ。
インプラント治療のおおよその相場など、調べれば簡単に分かる。


歯科医院の基準は、終わってしまったオリンピックだが、タイムなど素人でも判断つくものならいざしらず(本当は複雑なルールが存在するのだろうが)、美しさを、技術を競う競技など採点の基準が分かりづらいものも多いのと同じことだ。

相変わらず、根管治療で歯牙を保存する方法の記載があるが、大きな破折、深い虫歯(矯正治療、歯周外科治療でも対応不可能なくらいの。無論保険診療ではできない。)、歯周病に由来するものは根管治療で保存することは不可能である。
それと、マイクロスコープの使用方法であるが、基本的に根管治療において使用する時も、根管口の探索には有効であるが、その他全てのステージにおいて有効という訳ではないので、過大に評価しすぎ。
正確な情報を伝えるべき。
歯科治療において、早い、安い、混んでいるはいい歯科医のバロメーターにはならないのは同意する。
真剣に1本1本の歯を治療しようとするなら時間は膨大にかかる。
歯周病の治療も必要。
無論、高度な治療を行えばコストもかかる。
当然、ブラッシング状態の改善も必要。
信念もって丁寧な治療を行おうとすればするほど、ある意味、患者の求めているものとは乖離してしまうので、そこをいかに丁寧に説明するかだが、理解力に乏しければどうにもならない。
そのような治療を行おうとするなら、予約制でなければ機能せず、混んでいるということは、予約が機能していない、即ち予約制でない、自分のオペレーションタイムが管理できていない、予約が機能していない、予約を守らないルーズな患者で溢れているという事だけで、そのような歯科医院は当然質的には疑問だが、患者側の問題も考えるべき。

先日も数年前に他医院においてインプラント治療など複雑な治療を行い、散々コストかけたけれど、ダメになったと文句タラタラの患者が来院した。
別の日、幼少期に矯正治療したが、歯並びがズレてきて、矯正治療してもダメだったと言う患者も来院した。
診察すると。歯周病の進行、前歯も含め虫歯でボロボロで審美的にも非常に問題あった。
いずれも、はっきりした理由もなく、ただ面倒という理由のみでメインテナンスも一切行なわず、ブラッシングなどセルフケアも怠り、様々な部分に問題が出てきたのだから、ハッキリ言おう、自業自得だと。
元の状態に戻すには膨大な時間とコストがかかるし、もう一度その歯科医院を受診する事をお勧めした。
その歯科医院がどこまで対応してくれるかは疑問だが。
残念ながら治療自体の設計、精度にも問題ありだったが。
私の医院においても、患者をざん絞り込んで、絞り込んで、長期間かけて様々な治療を行ったもののメインテナンスむやむや、約束事項を守らない患者が僅かながら発生し、特にナイトガード未装着によるセラミックスの破折も極僅かだが発生する。
統計をとってみると、以前にも記したが、認識低くブラッシング状態悪い、性格的に楽観的、元々の状態悪い、極度に悪化してから受診→治療に相当なコスト、期間がかかる→最初の頃はまじめにメインテナンス→メインテナンス時にも大きな問題発生しない→まあ、いいか、ということでウヤムヤ・・・・・という流れであり、元々の状態が悪いほうが、メインテナンスなどの離脱率は高くなる。
何度かメインテナンスの重要性について連絡をとるが、しかし、それ以上は首に縄を付けて引っ張ってくる訳にもいかず、術前にきちんと取り決め事項を確認しているので、そもそもそこまでの責任もないので、こればかりはどうしようもない。
いずれ、全て元の木阿弥、パーである。
このような人達が高額治療の悪口を言って回り、拡散することはマジメな歯科医は言うに及ばず、マジメな患者にも非常に迷惑である。
自分の運転スキルの事は棚に上げ、ポルシェやフェラーリは運転が難しくスピードが出て危ない車との評価を出すのは明らかに間違っているのと同じ。
命に関わるような疾患でも、きちんと治療しない人がいるのだから、そんなものか。

1日に集中して治療可能な人数などたかが知れてるし、私なども何十人も診察することはとても不可能だし、するつもりもない。
派手でコストをかけた広告もそう。
当医院でもコストをかけた広告展開を行っていたことがあるが、それを見て来る人は???な人が多くて振り回されたので、直ぐ止めてしまった。
厚顔無恥、自画自賛の名医特集を金で売る手法は、同じ出版業界として取材してもらいたいものだ。
私はそんなものに掲載されることは決して良いイメージと考えるが、リテラシー低い患者と相まって需給のバランスがとれているのは、それはそれで悲しい現実ではある。
まあ、勝手にどうぞという感じであるが。

結局、どんな世界にも、様々な人がいるということであり、真実の追求は発信者、受け手側の問題で大きく左右されるということ。

根底には、虫歯も歯周病も「病気」という概念が無い方が多い。
歯科治療は虫歯、歯周病を人工的なものを用いて機能回復することに他ならないのだが、概念が欠如していると、治るものも治らない。