医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

  •   >  
  •   >  
  • まだやるの? 第6弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」

2016.08.08まだやるの? 第6弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」

オリンピックである。
今年はオリンピック・パラリンピックに私の患者さんも出場され、いっそう興味深く観ている。
健闘を祈ります。

第6弾である。
いいかげんめんどくさくなってきた。
今回は開業医の言い分とのことで、これに私も危うく取材されそうになったということか。
賛否両論様々な意見があるそうだが、自ら取材対象になり、売名行為と捉えられるなら、私には苦痛でしか無い。
また、変に媒体に露出してしまうと、様々な人がやって来るので。
何人かの開業医の意見は大筋は間違ってないが、これも保険診療のみ行う歯科医から、保険外診療のみ行う歯科医のみとバラエティ豊かなのであるが、喩えは悪いかもしれないが、車というものを考えるにあたって、軽トラとポルシェ、それもバリバリのGT3RSを同じ土俵で議論しているようであり、全く無意味。
繰り返すが、歯科医も患者もピンきり。
また、争点が枝葉の話ばかりで、新たな視点でのアプローチは全く無い。
もっと本筋があるだろうに、取材力の限界か。
結局、学会なり、大学病院なり、(これも様々だが)に今日的歯科標準治療、最先端治療の取材無しで、街の開業医に実務者としてのスタンスなのかもしれないが、意見を求めていることが私には最大の疑問であり、問題なのである。
裏話を聞きたいなら、インプラントメーカーや歯科器材メーカーの営業、歯科技工士、スタッフに匿名でも聞けば良い。
色々おもしろいと思うよ。
話は脱線するが、他歯科医院のスタッフ、その家族などが私のところに治療にくるのは、自分の勤務先の歯科医を信用していないということか?
この雑誌が、未だ取材し得なかった驚愕の裏事情を知っていると思う。
無理難題、無茶なこと言う歯科医もいるから。
大前提が個人開業医の意見ということ自体、情報の精度はどうなのかと。
このBlogを棚に上げ、多分に自己否定にもなりかねないが。
さてさて、
・銀歯がダメで全否定、レジンが優れているということはなく、歯科医の指摘通り。
 レジンには耐久性に問題あるし、内側性窩洞の治療にしか基本向かない。
 以前にも記したが、銀歯も、高い技術レベル、知識、経験を有した歯科医が、適切な歯周マネージメント、歯肉圧排、
 歯牙形成、印象、行い、高い技術レベル、知識、経験を有した歯科技工士が作製、補綴物装着後も的確なメインテナン
 スをすれば何の問題もない。
 無論患者の理解と積極的協力があってこそであるが。
 したがって、高価な保険外診療を行おうとも、雑な事が行われていたら、そのような治療には何の価値もない。
 まるで保険外診療の補綴物には、2次カリエスが発生しないような書き方である。
 2次カリエス云々は以上、治療プロセスの精度とメインテナンスが全てである。
 アレルギーの話も、テストしないで、ああでもないこうでもない言っても全くムダである。
・治療全般に言えるのだが、インプラントの話は実際に患者を診察、治療した歯科医両方の話を聞かないと何とも言え
 ず、内容、精度は分からないが、治療一生懸命やりました感いっぱいの歯科医と、治療費用360+100万
 「取られた」感ある患者との溝は一生埋まらないと思うけれど。
 ただ、この患者、その歯科医院にそもまま通院していることなので、関係性は部外者には分からない。
 ただ、一生持ちますというような安直なことは絶対行ってはダメ。
 私自身、経験的に20年以上何の問題もないインプラントは極普通であるし、そもそもダメになったインプラントとい
 うものが、全体の1%にも満たないので、長期間大丈夫な方には、まあ、10年以上何の問題もないのだから、このま
 まメインテナンス続けていれば一生大丈夫かもしれないというような話は良くする。
 インプラント周囲炎に罹患してしまったものもあるが、メインテナンス中にそれを察知し、外科的に
 インプラントフィクスチャー表面のデブライメント行い、リカバリーさせたこともあるので、定期的なメインテナンス
 は重要。
 インプラント周囲炎は通常無痛に進行するので、自覚症状はない。
 患者さんの全身状況にも左右されるので、それ以上先の話は正直分からない。
 しかし、インプラントなど、細菌がうじゃうじゃ存在し、過酷な環境である口腔内に体に孔を空けてネジを打ち込んで
 いるので、ちょっと油断すればダメになると歯科医も、患者自信も自覚すべきである。
 私はよく、「インプラントなんて、足の裏に釘が刺さっているのといっしょ。いつ感染するか分からないので、
 指示事項を守って頂き、メインテナンスしてゆきましょう。」話をする。
 結果問題は起きない。
・インプラント治療になる歯牙は、さも根管治療で治る可能性があるという書き方は明らかに間違い。
 歯牙喪失の原因は他にもたくさんあるし、高度な根管治療は保険診療内で行うことは不可能。
・見よう見まねインプラントがあるのは事実。
 オリンピック出場を夢見て人生かけたものの、多くの人は願いを叶えることはできない。
 患者さんが出場されることは素直に凄いことだと思う。
 私の子供の同級生にの中にも、シンクロ、フェンシング、アーチェリー、レスリング、フィギュアスケート・・・・
 様々な競技に一生懸命取り組んでいる人がいる。
 血の出るような努力である。
 私も趣味として始めたクレー射撃であれよあれよという間に国体に2回は出場した。
 (トラップ中山由起枝選手は残念でした。スキートがんばれ!)
 しかし、所詮趣味、それ以上は無理であることが逆によくわかった。
 なので、本業は趣味とは比べ物にならない努力が必要である。
 無論、センスも。ある意味、センスのほうが重要かもしれない。何事も。
 なので、見よう見まねではいけない。
 ひたすら金儲け主義で、必要以上のインプラント本数を提案してくる歯科医がいるのも事実。
・本文中の、「私のクリニックに来ている患者で、インプラント治療・・・」との話は、この歯科医が行った治療なの
 か、他医院で行った治療なのか不明だが、前者なら、その歯科医の問題、後者なら、その患者はなぜインプラント治療
 を行った歯科医院を受診しないのか疑問。
 往々にしてメインテナンス離脱の可能性が考えられるが、そのような患者のインプラントに問題が起きない方が不思議
 であり、責任の所在もあるので、これを持ってインプラント治療否定はおかしい。
・これも以前に記したが、インプラント学会理事だか、認定医、指導医の肩書は実力をそのまま表していないことも事
 実。
 しつこいようだが、運転免許がゴールドだからといって運転が安全、上手いわけではない。
・インプラント治療は完成された治療ではない、歯科医の敗北であるとの考え方は自由であるが、これまた、その代替治
 療に根管治療が取り上げられていることは大きな疑問。
 根管治療のみでは全ての歯牙を救うことはできない。
 私自身が治療した歯牙が抜歯になり、インプラントという選択になる場合もあるが、多くは修復不可能な歯根破折、
 メインテナンス未来院による虫歯、歯周病の進行であるが、他の大多数は他医院の治療の次の一手である。
 なので、私は敗北という感覚は全く無い。
 ある意味、中途半端に歯牙を保存、時間稼ぎ的治療より積極的治療に打って出て長期の予後を獲得できる場合が多い
 事も重要だ。
 もっとも先を見越した予知性を理論的に組み立てる力が必要だが。
 歯牙を残すことに全力を注ぎ、最後の手段としてのインプラント治療には激しく同意するが。
 常々、インプラント治療など歯科治療のオプションの一つにしかすぎないと私は考えているから。
・安売りインプラントに関して、私の医院には全く関係ないし、今後もそのような物に手をだすつもりは毛頭ないが、そ
 の存在は否定はしない。
 (この秋より、Zest社義歯専用のインプラントが日本でも正式承認されるので、今までより安価に治療可能となるが、
  これは導入予定。)
 何事にも品質より、まず価格ありきの階層は存在するから。
 ただし、よく調べて自己責任で。
 本当によく分からないパチもんメーカー、倒産したメーカーのインプラントの尻拭いは大変である。
・抜かない治療イコール根管治療は、何度も言うが間違い。
 根管治療でインプラントになる歯牙を全て救えるわけでは決して無い。
 歯牙が抜歯となる要因は、親知らずのように機能せず、他の歯牙に問題を及ぼす場合を除き、根尖病巣、歯牙破折(内
 因性)、歯牙破折(外傷などの外因性)、歯周病(厳密には根尖病
 巣由来、コンビネーションのものあり、これは根管治療で治る可能性がある)、矯正治療的要求から、他に戦略的抜歯(慎重に精査し、保存するより抜歯したほうが口腔内環境において有益と判断した場合の処置。)
 というのもあるが、根管治療で治療可能なものは根尖病巣(一部外科的治療が必要なものもある)、極一部の歯根破
 折、歯周病の極一部のみである。
 
 なぜこのような簡単な、誤った事に固執するのか不明。
 全般的に少々物事に固執し、かつ、盲信する傾向があり、ジャーナリストとしては疑問である。
 また、根管治療成功率が日本では40%との記載があるが、非常にレベルの低い医院の平均と言わざるをえない。
 アメリカでは90%というのも、アメリカでは資格が確立している歯内療法専門医のデータだろう。
 アメリカでの一般歯科医にはお粗末な人も多いが、これは保険制度の違いも大きく、また、高額な保険費用を支払える
 人はそれなりの階層だとも言える。
 また、日本での歯内療法専門医は公的資格では全く無い。インプラント専門医も同じ。
 3MixMPの話が出てきてさらに話は怪しくなる。
 本Blogにも書いている通り、3MixMPは否定派なもので。
 世界的に評価はないし、日本においても厚労省は承認していないし、保存学会も評価しておらず、一部の信者を除き
 評価もない。
 これは3MixMPのみで治療が完結できないからに他ならない。
 無論、保険適応ではないので、インプラントが金儲け主義というなら、アプローチを変えただけと言われても仕方がな
 い。
 マイクロスコープ云々も、その器機を導入したら即治療のレベルが上がるというものでもなく、専用周辺機器を一式揃
 え、トレーニングする必要あるが、誤解も多い。
 ライカやハッセル持ったからといって、いい写真が取れるわけでもなく、何事もカッコから入るということはプロの世
 界には通じない。
 
 私は日常的にマイクロスコープを使用しているが、根管治療、歯周外科治療用器具は猛烈に高価であり、一般の歯科医
 院で、保険診療内でそこまで行なえということは酷ではある。
 なので、Webサイトでマイクロスコープ完備と言いつつも、多くは対患者ハッタリ用オブジェに成り果てている事が現
 実である。
 歯科用CB-CTも同じ。
・予防歯科もどうなんだろう。
 予防歯科に通院していて、歯周病、虫歯が進行し、にっちもさっちも行かなくなって当医院に来院されるケースがちょ
 くちょくある。
 だいたい数件の、同じ歯科医院経由。
 本来、予防歯科とは、口腔単位で問題点を一度きちっと洗い出し、治療を行う、もしくは経過観察しつつその状態を長
 期維持するために行うものである。
 したがって、口腔単位の治療(オーラルリハビリテーション)ができもしないのに、予防と言っても笑止千万である。
 なので、予防歯科云々は、患者の意識レベルも高くなくては全く意味が無い。
 何か良くわからないけれど、毎月毎月検診、クリーニング行っていたけれど、ドンドン悪くなって噛めなくなった。
 その事を歯科医に話しても、何をするわけけでもなくそのまま、、、、ということで来院されるケースもある。
 予防歯科自体はいいことであるが、何か間違った方向に行っているのも事実。

今回はこんな感じかな。
完全にフォーカスボケてしまってるな。
新たな切り込みもなし。
結論めいたこともなし。
結局、素人が大したことないニュースソースから表面上の事だけ聞きかじり、深い理解無いままに、読者の興味をそそるような視点でのみ、面白おかしく書き立てても真実とは程遠く、良い歯科医選びの一助に全くなっていないということ。
企画の絞り込みが甘く、自身のキャリアを傷つけている。
いつも買わない雑誌を6冊も買って売上に貢献したかもな。
しかし、この雑誌、女性が多いウチの医院の待合には置けないよ。
小学館なのでまだネームバリューはあるかもしれないが。
そして、安売りインプラント歯科医院へ突撃取材したこの記者は、その後、本当にどのような治療したのか全くレポ無い。
この部分が一番大事で、説得力ある思うけれど。
意外とそのまま放置で、数年後にどうにもならない状況に陥るような気がするけれど、これだけ取材し情報収集してリテラシーも一般の人より上がっているだろうに、その判断なら自業自得というもの。
まあ、別にどうでもいいけど。