医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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  • ああ、まだやってるのな、第4弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」

2016.07.25ああ、まだやってるのな、第4弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」

まだやっているのだな。
関心高いことはいい事だが。
フォーカスがボケて来て、話が枝葉末節的なってしまい、もっと本質的に目を向けなければならない事は他に多々あるが、そこまでの取材力な無いようだ。
さてさて、

・虫歯検知器・・・昔からある。Kavo社のものを言ってるのだろうが、条件が揃わないと使えないし、過剰に反応しすぎ
 て精度は疑問がある。
・そもそもセメントが溶け出しやすいというのは大嘘で、歯科用合着用、接着用セメントは水溶性ではない。
 問題なのは補綴物の精度であり、マージンにセメントラインが出ていて、それが劣化、崩壊することによるが、
 このようなものは問題外。
 これは歯科医と歯科技工士の技術の問題だが、何を良しとするか基準も良心も違う。
 いいかげんな事を行って良しとするなら目も当てられない。
 したがって、技術的にお粗末で精度が低いことしかできないのに、セラミックス云々言っても始まらない。
 もっとも、患者自身のブラッシング状態、メインテナンス状態、意識レベルにも大きく左右されるので、
 それらの低い人が、本質を理解せぬまま、言われるがまま、無理して、コストかけて高度な治療行ってもしょうがない
 部分も多々ある。
 虫歯、歯周病は感染症の一種であるとの認識を持っていただきたい。
・ガルバニー電流の話は事実。
 イオン化傾向に差があるものの間には電流が流れることは、中学生でも知っている。
 銀歯でアルミホイル噛んだら嫌な感じになるアレである。
 最悪エロージョン(電蝕)が起きるのだが、何も考えてない治療をちょくちょく診る。
・歯科用金属とアレルギーの話は事実であるし、年に数人は相談を受ける。
 しかし、歯科医院受診前に皮膚科的にアレルギーテストを行っている人はほぼ皆無であり、知識先行の場合がほとんど
 である。
 また、皮膚科的アレルギーテスト受診をアドバイスしても、多くの場合受診とならず、勝手な思い込み患者が多いこと
 に逆に驚きであるのだが、完全に思い込んでしまってるので、パラノイア的なのはどうにもならない場合も多い。
 本当に歯科用金属でアレルギーがあり、皮膚科的診断がクロであり、結果、セラミックでの治療を行ったケースも小
 数ながらあり、確かに効果は絶大なのだが、まず、皮膚科受診、診断確定をお勧めする。
 最初から思い込み、バイアスかかった状態での歯科受診は本当に鴨ネギであるし、何も言わないのに、歯科医の方から
 アレルギーの話を振ってくるようなら本当に要注意である。
 歯科医が過剰に煽っているという部分もある。
 自分で必死で調べると、ロクでもない民間療法の餌食、いや、???な治療を勧めるプロの餌食になる場合もあるが、
 これは本人のリテラシーの問題なのだが、プロに言われるとねえ・・・・・。
 まあ、FBなどで、何でもかんでも鵜呑みにし、裏も取らずに拡散するような人達の事です。
 歯科に限った話ではないけれど。
 雑誌には、口腔内の全ての金属を除去するのではなく、1本除去するだけでもアレルギーの症状が改善する場合がある
 との記載があるが、これは非常に疑問である。
 アレルギーはOnかOffの二択で、アレルゲン量に比例しない場合が多い。
・CAD/CAMハイブリッドの対応は可能であるが、制約もあり、夢の治療ではないので過剰に期待しないほうがよい。
・根管内でリーマー(ファイル)破折にはよく遭遇する。
 最近、Ni-Tiエンジンファイルの登場により、さらに多くなったように思う。
 適切なトレーニング行わず、器具の使い回しによる金属疲労から破折が起こるが、当医院の場合、
 ファイルの使用回数、疲労度を記録しており、一定の条件を超えたものは破棄している。
・いったん破折したファイルの除去は非常に困難であり、症状がないなら経過観察の場合も多いのだが、
 症状が出たなら、マイクロスコープを使ったり、外科的方法で除去する場合もあるが、技術的に複雑で、
 歯科医なら誰でも行えるというものでもない。
 設備的にも、マイクロスコープを設置していれば誰でもできるというものでもなく、知識、技術、経験に先行するもの
 では決して無い。
 マイクロスコープ完備などとHPに自慢気に書いている医院も多いのだが、本当に使いこなせているのか疑問であり、
 患者向けのハッタリオブジェになっている場合が多いと聞く。
 ある業者がいうには、マイクロスコープの販売数と、専用消耗品の販売数が全く計算合わないそうである。
 マイクロスコープ単体では何の役にも立たず、専用の周辺器具機材が必要なのだは、これらは猛烈に高価であり、
 (ピンセット1本8万、持針器15万・・・、詳細はBlog参照)症例も無いのにこれらの物を準備するのは、
 一般的な歯科医院では不可能である。
 これまた、ある業者が言うには、マイクロスコープ用根管治療、歯周外科治療用機材、例えば根管逆充填機材、
 MTAセメント、7-0,8-0以上の極細縫合糸などの販売数も全くつじつま合わないそうである。
・同様に、歯科用CTも同じハッタリオブジェに成り下がっている、自分には治療できない証明に利用されている場合も
 多い。
・大きな転換期を迎えている歯科治療の最新情報を掴むことが大切なのは当たり前だが、もっと簡単な話、
 患者もピンきりで、需要のない所には供給、即ち歯科医の技術的向上心もありえないという大前提が忘れられている。

この記者の歯の治療はどうなった・・・?人柱レポが欲しい。
結局、断片的な樹箱の隅つつき、揚げ足取り的な記事でワーワー言ってるだけで、最新、最良の歯科医療はどのようなものなのか、そして読者がどのようにしてそれらにたどり着けるかの明示はない。
先日、ある番組で元雑誌編集者が、大衆雑誌の根底は、妬み僻みであると言っていた。
なるほどな。