医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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  • 第2弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」②

2016.07.05第2弾 週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」②

PART3
・部分義歯の解説は概ね正しいが、ノンクラスプデンチャーは今日の部分義歯の基本的考え方がリジッドサポートである
 以上、義歯自体の剛性、クラスプの剛性からこの目的を達成できず、噛み際の沈み込みを抑えることは不可能である。
 また、記載の通り、保険診療対応ではないし、通常の保険部分義歯とインプラントの間のブリッジテクノロジーでは全
 く無く、画期的なものでもないので誤解なきよう。
 少なくともインプラントと対等な臨床成績を出せるものではないし、世界的にはほぼ無名である。
 敢えて選ぶ理由は私には不明である。
・はたしてそこまでのコストをかけても部分義歯という形態は避けられず、中途半端感強い。
・義歯のどの部分にクラスプを付けるかの設計は、歯科医の裁量に任されているので、入れ歯は金具で止めるものという
 のはちょっと?である。
 そんなにすばらしいなら、日本の保険制度に適さなくとも世界的には普及するはずだが、前述通りそのような話はな
 い。
・ノンクラスプデンチャーに金具をつければ保険請求できるというのは初めて聞く話。
 ポリプロピレン系の義歯は保険適応外なのでは?
PART4
・患者の高齢化、介護施設におけるインプラントの問題は事実だろうが、はてさて、それ以上の問題を多数抱えている現
 状で、インプラントのみを悪者にするバイアスはいかがなものかと思う。
 その患者さん自体のQOLが大きく下がっているのにである。
 ご本人がそのような治療を求めていない認知症の方にインプラント治療は禁忌、もはや悪徳商法であるが、現在健康で
 も将来どうなるかと言われれれば、そこまでの事を予測することは現実的に不可能である。
 それを言い出すと、治療は元より何もできないが、咬合を再構成した場合、認知症になりにくいとの統計はある。
・ブレードタイプ(セラミックインプラント)のインプラントは心配無用である。なぜなら早々にダメに有り、残存して
 いるものが殆ど無いからである。
 現在でも一部の歯科医は使用しているということは疑問というか大問題。
 少なくとも京セラ製バイオセラムは大方20年以上前に製造中止しているが、「長期在庫」を使用しているなら知らな
 いけれど、これはもはや犯罪行為。
 ここらをもっと取材しろと言いたいが。 
 事実、海外のサイトでは期限切れのインプラントが格安で販売されており、日本からも購入可能である。
 当医院の場合、インプラント治療の患者さんへは、治療終了後、インプランパッケージにつているロット番、製造番 
 号、使用期限が明記されたものをお渡しし、カルテにも添付しているので安心だが。
 インプラントの日本、世界のシェアについてはBlog参照。
・格安インプラントの手口である。
 コストについては一概には言えないけれど、通常、厚労省が認可したマトモな物を使用すれば、ある程度のコストはか
 かる。ましてや、治療の精度を上げ、アフターフォローも充実させようとするなら尚更である。
 格安インプラントは厚労省未認可某国からの個人輸入が多いと聞くが、こればかりは患者のプライオリティが費用しか
 無いなら、リスクを理解した上での一つの選択肢ではあると思う。
 まあ、私には何の関係もないし、競合しようとも思わないが。
 安物買いの銭失いにはならないように。何分、自分の体のことですから。
・Micro softのビル・ゲイツが、販売を強化するために某高級化粧品メーカーのトップを引き抜こうとした際、
 「1ドルの化粧品と、100ドルの化粧品は何が違うのか」と尋ねると、そのトップは、
 「何も変わらない。違うのはブランドだ」と答えたそうだが、ビル・ゲイツは、「それこそが欲しか
 った答えだ。」ということでマイクロソフトは彼を即、雇用した、という話と同じではない。
・インプラント治療の話において、インプラントの話だけが出ることは稀であり、全顎的な検査、診断、治療医計画の立
 案、コンサル、同意と契約・・・・治療開始(初期治療)・・・・となるのだが、今日来て来週直ぐインプラント治療
 というのは???
・インプラント学会、日本歯内療法学会であるが、別に日本政府から正式に認められた機関ではないという大前提を認識
 すべきである。
 他にも似たような任意団体は多数存在、なかには宗教団体?というのまであるが、会員数にしてもこの程度だというこ
 と。
 入会には色々面倒な事もあるので、私は会員ではないし、情報は海外から直に入手しているので、(概ね、半年以上の
 情報タイムラグが存在する)特に困らない。
 インプラント治療と言っても、開業医レベルで年間通して相当数をコンスタントに行っている医院はおよそ30%程度
 しかない。
 さらに難症例まで対応可能の医院となると、数%に激減するというデーターもご理解いただきたい。
 このような状態で、認定医、指導医、、、といってもどの程度の重みがあるか、また、それらの肩書を取得するのに
 どの程度の努力が必要なのか調べてみるとおもしろいと思う。
 色々見ているが、肩書大好きな先生もいれば、私のように大嫌いなのまで様々だし、肩書持っていても年間症例10程
 度、色々問題ありまくりというのもある。
 ある専門医など、人間よりビーグル犬にオペしたほうが遥かに多いけれど、人間は怖いから嫌だと言い切る人もいる。
 認定医、指導医に限らず、歯科医自体がピンきりだということ。
 以前にも書いたが、運転免許ゴールドホルダーは、運転が非常に安全で上手なのかと同じような事。
・インプラント治療は、インプラントだけできればいいというものでは絶対ない。
 咬合、歯周病、補綴、矯正、審美、、、、の一分野でしか無く、総合力が試される分野であるということ。
 近年、インプラント治療はトップダウントリートメントと言って、上部補綴物の位置決めを先に行い、 
 その上部構造を支える最適位置にインプラントを埋入するという方法がとられる。
 したがって、咬合、補綴の知識があやふやではどうにもならないし、残念ながら、最適埋入位置に骨が無いケースも多
 く、この場合、様々な選択肢を取る必要があるのだが、引き出しが少ないとどうにもならない。

何につけ、???な歯科医に???な患者が行くと・・・・・相乗効果でろくな事にはならないことだけは事実。
歯科医療にはもっと違う問題山積なのも事実。
メディアが問題提起することはいいことであるが(困る歯科医もいっぱいいるらしいが)、保険制度、治療の実態、歯科医側、患者側の問題、上っ面ではなくもっと視野を広げた取材をしてもらいたいものである。
そして、この雑誌を読んで様々な分かったようなコメントを自身のBlogなどに書き込んでいる人もいるが、どこをどう読んだらそのような理解になるのか、素人考えでピント外れ、明らかな誤認が多く、
ある意味、雑誌記事より質が悪い。
個人が自由に情報発信できる弊害は大きい。
このような階層が発する誤った情報がドンドン拡散し、誤った、そして誘導された情報にさらに尾ひれが付いて、それらに何の疑問も抱かず鵜呑みにする同じような階層に浸透し、余計に混沌とした状態になる。
アフリエイトリンクがあるので、多分にステマもあるだろうが。

選挙公約と同じで、デキもしない、根拠もない美味しい絵空事、キレイ事で振り回す方と振り回さられる方と同じ。
後から次々とボロが出てくるのも一緒。

患者力もなければ良い治療は受けられない。
別に歯科だけの問題ではないが。