医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.07.28他医院におけるインプラント治療の考察

少し前に知人の歯科医から相談があった。
その歯科医院ではない、ある歯科医院において、上顎に14本ものインプラントを埋入されていたのだが、メインテナンス行っていたにも関わらず、治療終了後たった1年目くらいから一部のインプラント周囲の歯肉が腫れて痛くなったのだが、治療した歯科医院では洗浄を行うのみで、それ以上の対応を行わなかったものだから、知人の歯科医院を受診した次第。
知人の歯科医は、遭遇したことがないようなケースなので相談を受けた。
レントゲン写真を見ると、非常にインプラント間の距離が狭く、一部は接触するような状態でインプラントが埋入、サイナスリフト失敗、学術的、技術的に非常に稚拙であった。
上部構造も、そもそものインプラント埋入方向が全くダメで、メインテナンスが非常に行いにくい形態であった。
その歯科医院のweb siteを拝見すると、インプラント専門医、歯科用CT完備、ガイデッドサージェリー、・・・・・色々能書きタラタラ、その患者さんの症例も実施例として紹介されていた・・・・

私なら様々な対応方法が考えられるのだが、残念ながら知人の歯科医にはその術がなかったので、結局私が対応することになった。
方法は、インプラント歯周炎に罹患し、骨が大きく破壊されている2本のインプラントは撤去、比較的ましな3本はフィクスチャー表面の洗浄、殺菌後GBR、インプラントの近接が酷い2本はスリープ(骨の中に入れたままにし、アンカーとして使用しない)とし、10本のインプラントで上部構造を支える設計とした。
通常、当医院では無歯顎症例なら、片顎6〜10本程度で対応しており、これで十分であるが、その患者さんは1本の歯に1本のインプラント必要と、もっともらしい説明を受け、膨大なコストを支払ったらしい。
結局のところ上部構造作製まで私が行う羽目となり(要は治療全部)、休みの日を潰して患わしく思ったこともあったが、貴重な経験だった。
まあ、そのチャージが友人から鉄板焼き+αでは全くもって割に合わないが・・・・・
骨の高さが足りない、骨移植避けたい、傾斜埋入出来ない、等の理由でショートインプラントを多用しなければならないケースはある。
さすがにAll on 4はよほど長いインプラントフィクスチャー使用できない限り無理があり、このためか、近年All on 6と言われている。

因みに、元々この治療を行った歯科医院のweb siteから、患者さんはそ歯科医院へはもうメインテナンスも行っていないのに、この症例は未だに削除されていない・・・・・