医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.05.23歯科医の肩書

日本でも、海外でもよく分からない学会の金で買うインプラント認定医だとか、指導医の肩書というものがある。
(指導医クラスで50例程度の症例提出、、、、当医院の半年未満の程度。内容的にも難症例は殆ど入れず、補綴設計の巧みさなどは判定の対象ではないらしい・・・)
海外で一定のコース(もちろん有料)を受講すると、肩書どころか客員教授にもなれるそうだ。
ビザはどのようになっているのだろう。
IELTSやTOEFLもなし。
そもそも、日本の歯科医師免許で海外で治療を行って良いものなのか?
(海外の大学卒業して日本で医師や歯科医になるという方法もある。)
受験資格を調べたら色々おもしろいことも分かる。
自動車免許のように、免許センターで直ぐ国際免許を発行してくれたり、ハワイ、グアムなどのように日本の免許が暫定的に使用できるようなものではない。
左ハンドル、右側通行、交通ルールが全く違う海外で、何の講習会もなしに即明日から運転可能というのも怖いけれど。
注意点は、これらのライセンスを発行してくれる大学は、先進国では決してなく、全く豊かな国ではない、いや、貧困国であるという点。
患者へはボランティア治療という名目だが、そのような貧困国の国民に、インプラントなどの高度な歯科治療の需要があるのかが疑問。しかも患者はボランティアで。
その国の人々を実験台にし、練習し、食い物にしているようなことなのか?
その国でいっぱい練習した先生があなたの治療を行っているかもしれない。

とにかく、全てに金が絡んでいるように思えてならない。
そんなに肩書が欲しいのなら、どうせなら、もっとマトモな、権威ある資格取得を目指せばいいのにと思うけれど、
安直なことしか考えられない人には、ハードルが高くて到底無理。
そもそもが患者へのアピール目的、ちょっと考えればおかしな事だらけなのだが、何も考えない人、よく分かってない人にハッタリきかせるのが目的なのでいいということか。
きちんと、名の通った大学への留学コースなら、いくらでも手立てがあるが、怪しい留学は中々表にでてこない。
自分自身も短期的なものには多く参加したが、やはり腰を据えて2〜3年、向こうで由緒ある大学での学位取得くらいはしたかったが、様々な要因で実現できなかった。
悔やまれるので、現在歯学部に在籍している息子にはそのような道を歩んでもらいたいと思う。
向こうでもライセンス取得もありかも。
そもそも、海外へわざわざ留学する意味合いも、昨今薄れてきているのだが、日本みたいに様々なことがごちゃごちゃしていない海外のシステマティック感、空気は非常に重要だと思う。

少なくとも私は何の興味も無いし、おかしな肩書など無いほうがいいし、あったがためにかえって自分のキャリアにケチが付く場合もあるのだが、取得した肩書を歯科医は自慢し、リテラシー低めの患者は真に受け、まあ、どっちもどっちの
不毛で無駄な時間のみが経過し、何も結果が出ない。
こんなことばかりやっていては、日本の歯科業界は良くならないと思うが・・・・

別に、厚生労働省(私の場合は厚生省、当時の大臣は、あの、小泉純一郎氏)からもらった歯科医師免許あれば、その免許で頑張ればいいと思うのだけれど、実力が無い人ほど、肩書にこだわるのはどの世界も一緒。
著書多数という肩書もあるけれど、これも投稿した本の格付けがはっきりあり、広告の裏の落書きみたいなものもある。

因みに、現在、日本において正式に歯科の専門医制、標榜可能なものは、歯周病、口腔外科、歯科放射線、小児歯科、歯科麻酔のみであり、他はあくまでも任意団体である。
任意団体と言ってもピンきりで、多くの会員を擁し、世界的な評価があるものから、胡散臭いものまで様々。
私の先輩であり、日本を代表するような歯科医の方々も怪しげな肩書は一切お持ちではないし、話題にもならない。