医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.05.09咬合器

これは咬合器と言って、上顎骨に対する下顎骨の位置決めならびに運動を再現する機械である。
Face Bowというものを介してセッティングする。
当医院の患者さんで耳の穴にロッドを入れ、顔の周りに枠みたいなものでごちゃごちゃ行った経験のある方も多いだろう。
主に大掛かりな補綴を行う場合に用いる。
このPanadedent社製とKavo社製のもをメインに使用している。
いずれもアメリカ、ドイツ製で、作りがゴツく、できれば日本人向け骨格に合わせた咬合器があればいいのだが、意外と無い。
下顎骨は上顎骨にガッチリ、ネジ止めされているような構造ではなく、関節円板ならびに周囲靭帯を介して、また様々な筋肉を介して上顎骨との位置関係を保っており、ある意味、非常に不安定とも言える。
なので、下顎骨をサスペンドボーンというふうに言う場合もある。
口を開けるとパキパキ音がしたり、ガクッとなるような方、いわゆる顎関節症はこの関節周りに問題が出ている。
原因は様々であるが。
さて、このように骨、軟組織で構成されているもの、また個人差もかなりあるものを、金属とプラスチックで構成された咬合器で完全に再現することは、非常に困難でもあるのだが、そこは各社の製品は様々な工夫が凝らされ、臨床的にはなんとかなっているのだが、最後は出来上がった補綴物を口腔内にて調整したり、リマウントしたりして、誤差を煮詰めていく。
咬合器はこの他にも、というか一般的な歯科医院ではもっと簡便なものしか使用しないのだろうが、小規模補綴ならともかく、大掛かりなものには不向きであり、当然、誤差も大きく、出来上がった補綴物も精密な咬合が付与できているかどうかは?である。
医院の設備自慢をwebSiteにおいてよく目にするが、本当はこのようなものが非常に大事なのである。