医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.05.20似非歯科医学・ニセ医学

3Mixでも述べたが、いくらすばらしい治療効果をうたっても、日本で、世界で、普遍的継続的に、かつ標準治療として行われていないなら、そして一定の結果と評価、エビデンスがないなら、その程度だということ。

体内にインプラント等金属を入れることはイオン流出だか、電磁波のアンテナだかになって良くないと主張する歯科医がいる。
なので"金属を全く使わない"ジルコニア製のインプラントがいいと。
アホですか?ジルコニアは正真正銘チタン系の金属ジルコニウムの化合物ですが。
ググってみてください。
ジルコニア単体インプラントはまだ日本では認可されておらず、世界においても評価が出ておらずメインストリームとはなっていない。
実際製造メーカーも1〜2社のはずである。
日本でジルコニアインプラントを使用している歯科医は、個人の責任において、「個人輸入」で行っている。

やはり強度の問題からか、以前、ジルコニア製ケースバックを持つ腕時計を所有していたが、ぶつけて一部欠けた経験がある。
修理もできず、ケースバック交換でしか対応できない。
ジルコニアは白い金属と言われているが、所詮はチタン系金属ジルコニウムのセラミックである。
当医院でもオールセラミックスクラウンのフレーム(芯材)には日常的に使用しているし、相当数の長期症例もある。
審美性、耐久性、に優れるが、時計の例の通り、絶対欠けないとも言い切れない。
ジルコニアフレームオールセラミックスクラウンの破折の経験はある。
チタン同様、酸、アルカリには強いが、フッ化物に侵食されやすい。
(近年、知識不足の歯科医により、虫歯予防のための過度のフッ化物塗布がインプラントフィクスチュアーの腐食を起こすというリサーチがある。)
デンタルインプラントの場合、インプラントフィクスチャーが欠けたらどうするのだろうか?
最悪、折れたらどうするのだろうか?
私はいまだかつて経験したことがないが、強固なチタニウム製のインプラントフィクスチャーでも折れることがある。

ジルコニアのアドバンテージであるアレルギーフリーは、まあ、一定の理解を示そう。
強度の問題が解決されれば、一挙にメインストリームになる可能性も秘めているだろう。
画期的インプラントとの触れ込みで登場したアパタイトコーティングインプラントも、残念ながらメインストリームになり得なかったが。
しかし、必要以上に電磁波だの、アレルギー云々で患者を煽るのはいかがなものかと思う。
こんなことやってたら、せっかく将来性のあるものを、似非科学といっしょくたになりかねない。
いやいや、既に十分似非医学、ニセ医学の領域という意見もあるが。
体内に金属を入れる事が良くないというなら、、、
骨折等に使用するプレート、人工股関節、体内埋め込み型ペースメーカー・・・・・・タトゥーはどうなるんですか?
腕時計は?ピアスはどうなんですか?リングやネックレスじゃらじゃらはいいんですか?
全部込み込みの方は別に珍しくもないと思うが、これで高圧線が近くにある家に住み、酒飲んでタバコ吸ってジャンクフード食べながら、テレビの前でスマホで話したら即死ですか?
少なくとも軽くガンくらいにはなりますよね?
体に金属を入れるとダメというなら、そもそも保険診療は一切行わないということですね?
チタンがダメなのに、それよりはるかにイオン化し易い保険診療に用いる銀合金(12%金含有というが、組成の半分以上は銀なので、一般的に金合金と言っているのは間違いであり、まやかし。)なんぞ、全くもって、その先生の基準から言えばダメなはず。

一見科学的ではあるが、科学的知識が少しもないと、いとも簡単に洗脳される。

まあ、そのような情弱クラスタには何を言ってもしょうがないのだが、客受けはいいのかもしれないが、
結局患者自身が痛い目をみるだけ。

目が良くなるサプリ?、関節に効くサプリ?、コラーゲン摂取でお肌ツヤツヤ?・・・本当に効果があるなら、標準医療としてなぜ医薬品として認可、販売されないのか?
経口摂取し、消化吸収されたものが目的部位まで運ばれ再合成されるとでも思ってるんですか?
それとも消化吸収されず、そのまま目的部位までドラッグデリバリーされるとでも言うんですか?
歯科にかぎらず、医科でもこの様な事例に事欠かないし、本当に命にかかわるような病気に苦しむ患者を食い物にしている事がまかり通っている現実。
アホらし!

ジルコニアインプラントに関しては、公平を期すため、英文ではあるがAcademy of Osseointegrationの記事を転載するが、まだまだこんなレベルとも言える。

Perio-Implant Advisory 'JOMI' Clinical Pearls: Discussions on zirconia versus titanium implants, peri-implantitis, and dental implant geometry
January 18, 2016

By Joan Pi-Anfruns, DMD
JOMI Clinical Pearls is a regular column in Perio-Implant Advisory that discusses articles from The International Journal of Oral and Maxillofacial Implants (JOMI)--the official journal of the Academy of Osseointegration (AO)--as reviewed by a member of the Academy's Young Clinicians Committee (YCC). Quintessence Publishing publishes JOMI. Today's studies are all pulled from Volume 30, Number 4, 2015.
Perio-Implant Advisory 'JOMI Clinical Pearls': Discussions on zirconia versus titanium implants, peri-implantitis, and dental implant geometry by Joan Pi-Anfruns, DMD - Macroscopic geometric design of the Ti implants (Microdent) and Zr implants (Metoxit AG)

Macroscopic geometric design of the Ti implants (Microdent) and Zr implants (Metoxit AG)
The first article I reviewed is titled "Comparison of Clinical and Histologic Outcomes of Zirconia Versus Titanium Implants Placed in Fresh Sockets: A 5-Month Study in Beagles." This group of researchers from Spain compared the histologic outcomes obtained when titanium (Ti) and zirconia (Zr) implants were placed in fresh extraction sockets in an animal model. Eight dogs received two titanium and two zirconia implants in the distal sockets of the third and fourth premolars, placed at bone level and in a two-stage approach. After five months, nine of 32 implants failed, with a higher survival rate for Ti implants. Difference in surface roughness, the lack of oral hygiene, and the animal's diet were identified as possible causes for a higher failure rate. Bone-implant contact and bone loss were similar in remaining Zr and Ti implants. The interest in zirconia as an alternative to titanium has long roused interest among researchers. More recent studies are suggesting zirconia as a viable alternative to conventional titanium implants, calling for further research to build consensus.
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