医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.05.31CAD/CAM講習会

先日歯科治療のデジタル化、光学スキャン〜CAD/CAMによる補綴物の作製という講習会に情報収集に行ってきた。
かなり以前より興味をを持ってはいたのだが、精度的に到底、私の満足できるものではなかった。
ようやくここ3〜4年くらいで、CAD/CAMの精度は飛躍的に進歩し、
当医院ではATLANTIS・ISUS(アイサス・Implant SUpra Structure )という非常に高い精度を実現したシステムを導入している。
大がかりな補綴治療をワンピースで作製することの是非はあるのだが。
特にインプラント治療において検査〜診断〜インプラント〜補綴物まで、一つのメーカーが連続した治療システムを提供できることは非常に有利である。
友人の機械工学の専門家に言うには、歯科の場合、一般の工業製品と比較して、遅れがあるのは事実だが。

光学スキャン、すなわち、型とりをせず、カメラで歯牙形態を記録して、補綴物などを作製しようというものだが、
正直、精度はまだまだだと思う。
稚拙な技術で、歯牙の形成限界がハッキリしない、歯肉のコントロールができないような治療しかできない歯科医ではとても無理。
今でも、型とりから石膏で模型を作製し、それを元に補綴物を作製してゆくのだが、曖昧なものも多く、歯科技工士を悩まし、結局、「想像」でマージン(形成限界)を設定する場合も多いそうである。
私は常々歯科技工士に「この模型では補綴物作製不可能と判断したなら、遠慮無くその旨伝えて欲しい。」と言っているので、前述のようなレベルの低い話は関係ないが。

かなり以前より1日で補綴物を作製可能なシステムが存在し、メディアでも盛んに取り上げられはいるが、所詮はインゴットの色調が単調で規格内のものしかなく、口腔内に装着されたものを見てもタイルが入っているようであり、メディアでは「凄い!、画期的!」とべた褒めだったが、私には全く満足できるようなシロモノではない。
おそらく彼らは本当の審美治療というものを知らないのだろう。
微細な形態、咬合、審美付与は不可能で、まだまだ熟練した歯科技工士の作製するものを凌駕できるものではない。
なので、歯科治療において、患者の補綴物を実際に作製する歯科技工士の存在は大きいのである。